キツネさん
自分には記憶する才能がないなぁ……。やっぱり頭がいい人を見ていると、記憶力ってはじめから才能で決まっているように感じるよね……。
頭がいい人、結果を出している人たちの多くは記憶力も良いものです。
そんな人たちを見て「やっぱり記憶力は才能で決まるんだよね……」と落ち込んでしまっている人も少ないないでしょう。
しかし果たして、本当に記憶力の良い・悪いは才能だけで決まっているのでしょうか?
先に結論を伝えると、記憶力の良さは能力によるところもありますが、「ふつうの人」でも真似をすれば身につけることができます。
才能があると思われている人が、普段からどのように記憶しているのか、その方法を覗き見してみましょう。
もくじ
記憶力が「才能で決まる」と思われがちな理由
冒頭でも触れましたが、学生であれ、社会人であれ、結果を出している人は記憶力も優れている人が多いです。
「やっぱりできる人は記憶する才能があるから……」と落ち込んでしまうかもしれませんが、それは思い込みです。
ここではまず、記憶力が才能で決まると思われがちな理由を見ていきましょう。
日本の教育は「記憶力がいい=頭がいい」だったから
日本では戦後一貫して「覚えること」に重きを置いた教育が行われてきました。
良い高校や大学に入るには、テストを受けることが一般的です。
それらのテストでは学んだことを覚えていれば点数が取れるものが多く、極端な話、記憶力があれば良い学校に入ることができました。
つまり、
- 記憶力がある人は良い学校に入れる
- 良い学校に入れる人は頭がいい(才能がある)
というように、無意識のうちに「記憶力がいい人は才能がある」とみなしてしまう人が多いのです。
そんななか最近では暗記中心の学習は「詰め込み教育」として見直されることも増えてきています。
キツネさん
天才は自然に努力をしているから
結果を残す人というのは、日頃から見えないところで努力をしているものです。
そういう人は一見、平気な顔をしているので、「やっぱり記憶力がいい人は、努力しなくても覚えられるんだな」と思ってしまいがちです。
天才と言われる人は、ふつうの人(ここではわかりやすいように、あえてそのように言います)と比べて圧倒的に覚えることに時間をかけています。
しかし当の本人は、それを苦痛だとか努力だと感じていることが少ないようです。
自分の好きなことや興味があることを、時間を忘れて没頭していた、という経験をしたことがある人は多いと思います。
それと同じように、記憶力がある人は自然と苦もなく努力を続けることができます。
原点思考な人=記憶力が良いから
アメリカのギャラップ社が提供する自分の強みを発見するためのwebテスト「ストレングスファインダー」というものがあります。
世界で2,600万人以上の人がテストを受けていて、34に分類された人間の資質の中から、その人に最も近い強みがわかります。
その資質の中のひとつに「原点思考」があります。
「原点思考」の資質がある人は、過去に起きた成功や失敗の事例、経緯をもとにして、未来の行動を決めることを得意として、結果を出します。
それらの人が大切にするのは過去にあったことであり、自ずと記憶力も良い人が多いです。
原点思考で結果を出している人が身近にいると、記憶力が才能で決まっていると思ってしまうかもしれません。
記憶力は才能が全てじゃない!
「記憶力が才能だけで決まっている」という思い込みは、未だに根強いです。
確かに生まれつき記憶力が良い人も一定の数はいます。しかし、それだけが全てではありません。
むしろ世の中の「記憶力がいい人」たちのほとんどは、記憶の仕組みとテクニックを理解して、後から身につけています。
加齢で脳が衰えるのは避けられない
まず前提として、年齢によって脳が衰えていくのは自然なことであり、誰しも避けることができません。
記憶力のピークについてはマサチューセッツ工科大学の認知科学研究者、ジョシュア・ハーツホーンらの研究で、以下のように言われています。
- 総合的な情報処理能力と記憶力→18歳頃
- 名前を記憶する能力→22歳
- 顔認識能力→32歳前後
記憶力全般に関する能力は、18歳で早くもピークを迎えます。
「20代になったら記憶力が下がった」という声を聞くことがありますが、ある意味、それは自然なことと言えます。
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記憶力はテクニック
上記のとおり、何もしなければ加齢とともに記憶力は下がってしまいます。
しかし世の中には年をとっても記憶力を維持している人がいますし、「才能がある」と言われる人たちの記憶力は衰えることを知りません。
それどころか年齢を重ねるにつれ、人生の経験値とともに、記憶も蓄積されているようにすら見えます。
これらの人はみな「記憶力はテクニック」であるということを知っていて、少なからずトレーニングをしています。
例えば記憶力の日本一になったことがある元塾講師の池田義博さんは、40代から独学で記憶術を学びました。
また世の中にはたくさんの記憶術に関する書籍やセミナーなどがあることからも、記憶力がスキルとして身に付けられるものだということは明らかだと言えます。
キツネさん
記憶力は後からでも身に付けられると知っていること、そしてそのテクニックを身につけるために練習することが大事なんですね!
「才能で決まる」と思っている人は正しい努力が足りない
この記事を読んでいる人は純粋に「記憶力が才能で決まるのか知りたい」という人が大半だと思います。
しかし中には「自分が記憶力がないのは才能のせい。そうやって言ってくれる人の意見を聞いて、今の自分を正当化したい」という人もいるかもしれません。
少し厳しいことを言いますが、そのような人はまだやれることが、たくさんあります。正しい努力が足りていない可能性が高いです。
以下で紹介する才能があると言われる人がやっている方法を、少しだけでも試してみることをおすすめします。
天才と言われる人から学ぶ記憶力を上げる方法
ここからは頭が良いと思われている人が、日々の生活の中で何気なく行っている記憶力を上げる方法や習慣を紹介していきます。
具体的な方法というよりかは、覚えることに関する捉え方、向き合い方的な話がメインですが、読んでおいて損はないはずです。
- 勉強する前に勉強の仕方を学ぶ
- 関連づけて覚える
- 覚えたことを取り出す
- 圧倒的に時間をかける(復習する)
- 最初の成功体験を早めにつかむ
1. 勉強する前に勉強の仕方を学ぶ
記憶力が良く結果を出す人は、覚えるという作業をする前に「覚え方」を学びます。
学生であれば勉強をする前に「勉強法」を、社会人が読書をするのであれば「読書法」を学びます。
例えばよくある「身につく読書法」としては
- 先に本を読む目的を明確にする
- 目次を見て、どんなことが書いてあるのか予想する
- 読み終わったあとに、自分の言葉で内容をまとめる
などの方法が紹介されることがあります。
何事もがむしゃらに覚えようとするのでは、効率はよくありません。
まずは覚えたいことをはっきりさせて、先人が公開してくれている効率の良い方法を知ることから始めましょう。
キツネさん
ただ、覚え方の勉強ばかりに時間をかけては本末転倒ですね。ノウハウコレクターにならないように実践することが大切です!
2. 関連付けて覚える
新しく覚えたいことを、他の知識と関連付けて覚えることも有効な方法です。これも才能がある人は自然と行っています。
例えば歴史の事件と年号を覚える場合。
語呂で年号を覚えてしまうのも良いのですが、少し時間をかけて、その事件が起こったときの時代的な背景と関連付けるのがおすすめです。
例えば、
という出来事を覚えるとします。
このとき、
- 1858年にイギリスを含む5カ国と不平等な条約を結んでいた
- 弱腰な幕府の姿勢に対して、外国を排除しようとする「攘夷論」が流行っていた
- 1862年、薩摩藩士がイギリス人を殺傷する生麦事件が発生
- 1863年、薩摩はイギリスの賠償の要求を受け入れず、薩英戦争に発展した
という背景や前後の流れを結びつけることで、より記憶が定着するようになります。
また関連付けて覚えると、1つのことを思い出すときに、関連付いたことも一緒に思い出すことができ、それぞれの記憶が強くなる、という効果もあります。
3. 覚えたことを取り出す
覚えたことを長い間、忘れないようにするには、定期的に取り出す機会をつくることが大切です。
覚えたことを取り出すとは、要は「アウトプットをする」ということです。
そもそも記憶力が一番役に立つのは、覚えていた記憶を脳の奥から取り出して活用するときです。
つまり記憶を取り出す練習をしていないことには、大切なときに思い出すことができず、その記憶はムダになってしまいます。
具体的な記憶を取り出す練習としては、「定期的にテストをすること」が効果があります。
キツネさん
覚えたことを他の人に話したり、ブログやYouTube、SNSなどで発信したりすることも有効ですね!
4. 圧倒的に時間をかける(復習する)
2009年に発刊したマルコム・グラッドウェル氏の著書『天才! 成功する人々の法則』の中で「1万時間の法則」が紹介されました。
これはどんな才能や技量も、1万時間練習を続ければ、本物、プロになれるというものです。
ここでは「ひとつのことを覚えるのに1万時間をかけろ!」ということが言いたいのではありません。
長期的な知識やスキルを身につけるには、それ相応の時間がかかるということを理解して、時間をかけて覚えることが大切なのです。
また先に紹介した「アウトプット」を通して、繰り返し復習することも重要です。
5. 最初の成功体験を早めにつかむ
覚えることが苦痛だと長続きしません。
天才は他の人が努力だと感じることを、苦もなく行っていることは説明したとおりです。
彼らはすでに、テストで良い成績を残したなどの成功を経験しており、覚える(勉強する)ことに楽しみを見出しているケースが多いです。
例えば子どもの記憶力を伸ばすなら、覚えていることを褒めてあげることも、立派な成功体験と言えますね。
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キツネさん
まとめ
確かに何事もうまくいく人は記憶力も良く「才能がすべて」だと思いたくなる気持ちはわかります。
しかし見てきたように、記憶力が良い人は、才能以外の「テクニック」を身につけて、習慣にできている人が多いです。
この記事で紹介した「頭がいい人がやっている習慣」を参考にしながら、少しでも皆さんの記憶力が改善していくことを願っています。
記憶術を取り入れてみるのもおすすめ
どうしても記憶力が上がらない...という人には、記憶術を試してみるのもおすすめです。
「記憶術」と聞くと少し怪しいイメージや、小手先のテクニックのイメージを持つ方もいるかも知れません。
しかし、人間が何かを記憶する際には決まった法則があり、その法則を1つずつ紐解いて、最適化された方法が記憶術です。
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キツネさん
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