キツネさん
頭が良いと言われている人はIQが高く、自分とは関係のない世界に生きる特別な人達のように感じてしまうことがありますよね。
たしかに、IQが高い人に頭が良い人が多いのは事実ですが、実は頭が良いこととIQの高さに直接的な関係はありません。
そもそも、IQとはなにかを正しく理解していないまま、頭が良い人はIQが高いと思い込んでいる人も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は「IQとは何か?」「なぜIQが高いと頭が良いのか?」「IQと頭の良さが混同されている要因」「頭の良さを表すIQ以外の指数」について解説していきます。
もくじ
そもそもIQが高いとは?
IQとは「Intelligence Quotient」の略で、日本語では知能指数と訳されます。
しかし、知能指数という言葉は知っていても、意味はよくわからないという人も多いのではないでしょうか?
まずは、IQについて3つのポイントをおさえておきましょう。
- IQ(知能指数)の意味
- IQの測定が行われる理由
- IQと遺伝の関係
IQ(知能指数)の意味
IQ(知能指数)は、知能が「同年齢の集団の中でどの位置にあるかを表す数値」のことを指します。
平均的な数値を100として、70未満の場合は知能障害と診断されます。
しかし、まずIQの意味を知る大前提として、知能とは何かを理解しておく必要があるでしょう。
知能とは、状況や環境の変化を把握したり、五感から得た情報を処理する能力のことで、学校や仕事で学んだ知識や学力のレベルを直接的に指す言葉ではありません。
現在、IQを検査する知能検査法は主に5種類あると言われています。
- 田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)
- WPPSI-Ⅲ知能検査(ウィプシ・サード)
- WISC-Ⅳ知能診断検査(ウィスク・フォース)
- WAIS-IV知能検査(ウェイス・フォース)
- KABC-Ⅱ
参照:e-ヘルスネット
これらの知能検査法の種類や検査回数などでも、IQの数値は変動するので、IQはあくまで目安として捉えるのが賢明です。
IQの測定が行われる理由
IQの検査は、健康診断のように学校や職場で定期的に行うものではありません。
なぜなら、先述のとおりIQは知能水準を表す目安の数値であり、日常生活においてIQを知る必要性がないからです。
キツネさん
IQの測定は、主に知的障害の診断や、知的障害者の支援計画を作成するときに行われます。
ただ単に自分のIQを知りたいという場合は、ネットや書籍で調べるしか方法はありません。
しかし、知能検査法の種類も複数あり、解釈もそれぞれ異なるため、IQを自己判断するのは難しいでしょう。
IQの高さは66%が遺伝で決まるというデータも
一説によれば、成人期のIQは66%が遺伝の影響を受けるともいわれています。
ちなみに、子供の頃のIQは41%が遺伝に影響されるともいわれており、大人になるほど遺伝の影響を受けやすくなります。
なぜなら、大人になると遺伝的に苦手なことは避けて自分に合った環境を選ぶようになり、結果、遺伝的な影響が増幅するからです。
キツネさん
結論:「IQが高い=頭が良い」傾向にあるのは事実
IQ自体は知能の水準を表した数値ですので、必ずしもIQが高いと頭が良いとは言い切れません。
しかし、IQが高い人には頭が良い人が多い傾向がみられるのも事実です。
IQが高いと頭が良くなる理由は、3つあります。
- IQが高い人は記憶力が良く博識
- IQが高い人は理解力・判断力も高い
- 学習の過程で訓練されて自ずと高くなる
IQが高い人は記憶力が良く博識
IQが高い人は、覚えるのが早いという傾向があります。
「予習」「復習」という言葉があるように、一般的には何度か反復しないと記憶には定着しません。
しかし、IQが高い人は少ない反復で早く記憶できます。
一般的な人よりも早く記憶できれば、より多くの知識を蓄えることができるため、IQが高い人には博識な人が多くみられます。
また、学校で学習する内容は記憶力勝負な部分が多いため、記憶が得意なIQが高い人の成績が良くなるのも当然です。
IQが高い人は理解力・判断力も高い
IQが高い人は情報の処理速度が早いので、物事の飲み込みも早い人が多いです。
学校の勉強もすぐに理解でき、ほとんど勉強をしなくてもテストで良い点が取れたり、新しい仕事でもすぐに要領をつかんで早くこなすことができます。
また、IQが高い人は論理的な思考が得意ですので、すでに習得している知識を応用して、新しいことでも適切な判断ができます。
キツネさん
学習の過程で訓練されて自ずと高くなる
学校での学習は「いかに早く正しく覚えられるか」が重要なポイントになってきます。
そして、勉強をたくさんしている人ほど、早く正しく覚えるコツを知っています。
IQは、知能検査法という検査(テスト)によってはじき出される数値です。
早く正しく覚えるという観点でいえば、知能検査と学校の勉強は似ているので、学校の勉強ができる人は知能検査の結果が良くなるということは十分に考えられます。
つまり、IQが高いから勉強ができるのではなく、勉強をしているからIQの数値が高くなるのです。
IQと頭の良さが混同されている最大の要因
あなたは、あなたの周りにいる頭が良い人達のIQがいくつかご存知ですか?
ほとんどの人がIQの意味も、IQの数値も知らないのに、なぜか頭が良い人はIQが高いと思われています。
では、なぜ「IQが高い=頭が良い」と思ってしまうのでしょうか?
- クイズ番組で成績の良い人たちは、IQ100を超えている
- アインシュタインやレオナルド・ダ・ヴィンチはIQが高かったらしい
- 世界的に成功している著名人もIQが高いと言われている
日常的に、これらのような情報にふれることで「IQが高い=頭が良い」という先入観が生まれてしまっています。
そして「IQが高い=頭が良い」という先入観を、すでに常識として疑わない人がほとんどではないでしょうか?
IQは、あくまで知能のレベルをわかりやすく数値化しただけのものにすぎないのに、いつの間にか頭の良さを表す数値に置き換えられてしまっているのです。
頭の良さはIQだけでは測れない
人々がIQについてぼんやりした先入観しか持っていないのは、日常生活においてIQがそれほど必要とされていないからに、ほかなりません。
事実、入試や就職の際に、IQが選考基準となっている学校や会社はないですよね?
IQが高くなくても東大に入学した人は、たくさんいます。
また、世界的にも現代の社会は、以前のような学力至上主義ではありません。
言われた仕事を機械的に早く正確にこなす人が優秀だとされる時代は、すでに終焉しました。
つまり、早く正確にできる能力を数値化したIQだけが、頭の良さや仕事の成果に影響しているわけではないのです。
では、頭が良い人は、IQのほかにも優れた特性があるのでしょうか?
IQに代わる今求められている「頭が良い」の指数
実際の社会では、機械的な作業だけでなく、人とのコミュニケーション力も求められますし、思わぬトラブルに遭遇することもあるでしょう。
頭が良い人は、ただ単純に情報を早く処理して記憶する能力だけではなく、さまざまな状況に臨機応変に対応できる能力も兼ね備えています。
IQ以外で「頭の良さ」に関係する能力を表す指数を4つ紹介します。
- EQ(心の知能指数)
- AQ(逆境指数)
- SQ(社会的指数)
- CQ(好奇心指数)
EQ(心の知能指数)
EQとは「Emotional Intelligence Quotient」の略で、日本語では心の知能指数と訳され、感情をコントロールし、他者の感情に共感できる能力を指します。
仕事にしても学校にしても、日常生活において人とのコミュニケーションは避けて通れません。
EQはIQと比べると新しい概念ですが、IQだけではわからない自己制御力や共感力を表す指数として注目されています。
EQが高い人は、柔軟性があり、他者の感情に共感し、傾聴力が高い傾向があります。
また、ストレス耐性も強く、素直で粘り強い特徴がみられるなど、EQが高い人は周りから協調性がある良い人という印象を持たれます。
IQは遺伝の影響を受けやすいですが、EQはセルフコントロールのトレーニングで高められます。
AQ(逆境指数)
AQとは「Adversity Quotient」の略で、日本語では逆境指数と訳されます。
文字通り逆境に直面したときの対応力を数値化した指数で、AQは4つの「CORE」と呼ばれる要素により決定されます。
- コントロール(Control)
- 責任(Ownership)
- 影響の範囲(Reach)
- 持続時間(Endurance)
AQが高い人は、逆境をチャンスと捉え、最善の方法で切り抜けられる術を持ち合わせています。
SQ(社会的指数)
SQとは「Social Intelligence Quotient」の略で、日本語では社会的指数と訳されます。
上記のEQを広く世に知らしめたアメリカの心理学者ダニエル・ゴールマン氏によって提唱されています。
SQを簡単に説明すると、社会の中で人とうまくコミュニケーションを取りながら生きていける能力を示す指数です。
キツネさん
SQが高い人は相手の気持ちを想像して寄り添える、自分の考えを相手にわかりやすく伝えられる、といった特徴があります。
CQ(好奇心指数)
CQとは「Curiosity Quotient」の略で、日本語では好奇心指数と訳されます。
CQが高い人は、新しいことにも積極的に挑戦したり、気になったことを深堀りして調べてみるなど、好奇心が旺盛です。
また、あいまいで複雑な状況でも、難しく考えすぎずニュアンスとして捉えられるので、適切な対応ができる傾向があります。
比較的新しい概念ですが、柔軟な思考や創造性を表すCQは、IQやEQと並んで重要なスキルとして注目されています。
まとめ
IQの高さと頭の良さは、関係がありません。
そもそも、IQは知能というあいまいな存在をわかりやすく数値化したものであり、頭の良さを表す数値ではないのです。
また、頭が良いと言われている人や成功している人すべてが、高いIQを誇っているわけではありません。
IQが高くなくても頭が良い人が存在している理由は、頭の良さに影響する指数がIQ以外にもあるからです。
- EQ(心の知能指数)
- AQ(逆境指数)
- SQ(社会的指数)
- CQ(好奇心指数)
尊敬に値するような「頭が良い人」はIQだけが高いのではなく、これらの指数がバランスよく高い人のことを指すのかもしれません。
IQは遺伝の影響を受けやすいですが、IQ以外の指数は日々の行動やマインドを意識して変えてみるなど、訓練次第で伸ばせます。
あなたも、IQの数値だけにとらわれることなく、できることから訓練して「頭の良い人」を目指してみましょう。
関連記事:「頭がいい人」ってどんな人?考え方や話し方に現れる特徴を分析
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