キツネさん
「数学の勉強法」について調べてみると、多くの人が以下2つの意見に遭遇するのではないでしょうか。
- 数学は「暗記するべき」
- 数学は「暗記してはいけない」
どっちを信じればいいの?と混乱してしまいがちですが、それぞれの主張を正しく理解することで、その真意が見えてきます。
今回はそんな「数学の暗記」について、そして数学が苦手な方におすすめしたい暗記数学の正しい勉強の仕方を紹介します。
数学の勉強法に迷っている人や、成績を上げたい人は、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。
もくじ
数学における暗記は「解き方の引き出しを増やす」こと
結論から言うと、数学における暗記は「解き方の引き出しを増やす」ために効果的な勉強法です。
数学の暗記の重要性は、よく囲碁・将棋にたとえられます。
- 囲碁・将棋:「定石」と呼ばれる最善の打ち方を多く知っているほど、あらゆる状況に対処できる
- 数学:問題の解き方を多く知っているほど、あらゆる問題に対処できる
つまり囲碁や将棋の「定石」と同じように、数学も「解き方」のパターンをできるだけ多く頭にいれて引き出しを増やすことで、初めて見る問題も解けるようになるのです。
ただし「暗記」の方法や解釈を間違えれば、なかなか成績につながりません。
東大合格者の間でもよく実践されていたという、暗記を使った数学の正しい勉強法を、この機会に身につけましょう。
「数学は暗記」に対するよくある誤解
「数学は暗記」という考え方に対しては、さまざまな誤解がされていることが多いです。
数学における暗記の勉強法は、少し解釈を間違えると効果が期待できません。
そこでまずは、暗記を使った数学の勉強法に関するよくある誤解を正していきます。
公式や解き方の「丸暗記」とは異なる
今回紹介する数学の勉強法における「暗記」は「丸暗記」とは異なります。
- 暗記:「Aの答えがBである」事実を導き方や理由を含めて覚えること
- 丸暗記:「Aの答えがBである」という事実だけを覚えること
これは数学だけに限った話ではありませんが「丸暗記」だけではなかなか実力がつきません。
「数学を暗記する勉強法」における暗記は「丸暗記」とは異なることを、まずは理解しておきましょう。
参照:慶大塾 暗記法 CASE8 暗記は1日10分を毎日継続!(看護医療学部)
数学の暗記に「理解」は必須
これもよく誤解されることですが、数学の暗記には「理解」が必須です。
- なぜその解法を使うのか
- なぜその式に変形する必要があるのか
- その解法によって何がわかるのか
解き方を頭に入れる際は、同時に上記のような「理解」を伴う必要があります。
理解することなしで手順や解き方を「丸暗記」しただけでは、言い回しや問われ方が変わるだけで問題が解けなくなるでしょう。
数学における暗記は必ず「理解」を伴う必要があることも、大切なポイントです。
根本から考えて解ける人は暗記の必要なし
数学における暗記は、誰もが必ずやらなければならない勉強法ではありません。
例えば、解き方を覚えなくても答えを導ける人は、必ずしも数学の暗記を取り入れる必要はないでしょう。
一方で、数学に対して苦手意識があり、考えても解き方が浮かばない人にとっては効果的だと言われています。
暗記数学は必須の勉強法ではなく、あくまで選択肢の一つとして捉えるようにしましょう。
成績が上がる暗記数学のやり方
ここからは具体的に、暗記を使った数学の勉強法のやり方について解説します。
暗記数学は、大きく分けて以下の3つのステップで進めていきます。
- 解法の流れを「理解」する
- 解法の流れを「暗記」する
- 類題を解いて演習する
一つひとつ順番に詳しく見ていきましょう。
1.解法の流れを「理解」する
まずは暗記に入る前に、解法の流れを「理解」するところから始めます。
- なぜその解法を使うのか
- なぜその式に変形する必要があるのか
- その解法によって何がわかるのか
このステップをとばしてしまうと、ただの「丸暗記」となり、他の問題への応用が利きにくくなってしまいます。
いきなり暗記しようとするのではなく、必ず「理解」のステップを踏むようにしましょう。
2.解法の流れを「暗記」する
「なぜその解法を使うのか」を理解できたら、自力で解けるように解法の流れを「暗記」することを目指していきます。
暗記するための方法は、一つではありません。
- プロセスをノートに書く
- 人に教える
- 覚えるまで何度も解く
ノートに書けば視覚的にも記憶に残りますし、人に教えたり何度も解いたりすると自分の考えが整理しやすいため、どれもおすすめの方法です。
一つの方法を徹底的にやってみる、いろんな方法を組み合わせてみるなど、自分に合うものが見つかるまで試してみましょう。
関連記事:今日からできる暗記ノートの作り方【中学生から社会人まで使えます】
3.類題を解いて演習する
「覚えられた」と感じたら、問題集などの類題を解いて実際に演習してみましょう。
このとき、できるだけ「数字だけが変わった問題」ではなく、問題文の言い回しや問われ方が異なる類題であることが理想的です。
もしも解けなかった場合「覚えた問題と何が違っていたか」「どこがわからなかったのか」を中心に復習しましょう。
関連記事:テストの前日に一夜漬けで暗記する方法!1日で効率よく暗記するコツ
暗記数学で成績を上げるポイント
次に、暗記数学をより効果的に実践するポイントを以下の3つに分けて解説します。
- 解き方が理解できないときは教えてもらう
- さまざまなパターンの問題をたくさん解く
- 類題を解き「理解して覚えているか」をテストする
解き方が理解できないときは教えてもらう
キツネさん
解き方を理解する段階でつまづいてしまった場合は、誰かに質問して教えてもらうのがおすすめです。
特に数学は「5分考えてわからなかったら質問する」など、ルールを決めておくと効率が上がります。
また、誰かに質問したり解説を聞いたりする際は後で自力でも解けるようにメモをとるのを忘れないようにしましょう。
さまざまなパターンの問題をたくさん解く
残念ながら、暗記した解き方の問題と全く同じ問題が受験でも出題される可能性は少ないでしょう。
しかし引き出しが多ければ多いほど、初めて見る問題にもさまざまなアプローチができ、答えに辿り着きやすくなります。
- 暗記している解法どうしを組み合わせる
- 思いつくやり方を一つひとつ試す
本番、初見の問題に対して試行錯誤ができるよう、テストや受験に向けてさまざまなパターンの問題をたくさん解いて頭に入れておくことが大切です。
類題を解き「理解して覚えているか」をテストする
暗記を終えて類題を解くときには「理解して覚えているか」をテストする意識を持つようにしましょう。
理解して覚えているつもりでも実はそうではなく「丸暗記」になっている場合もあります。
実際に「暗記数学」の意味を勘違いしたり、正しい暗記ができていなかったりして「受験で悲惨な末路につながった」人は少なくありません。
問題集や過去に受けた模試の問題を使って、暗記した解法や考え方を生かして問題が解けるかどうかを試すようにしましょう。
「数学は暗記するな」否定的意見がある理由
キツネさん
東大などの名門大学に合格した人が推奨することも多い「暗記数学」ですが、否定的な意見があるのも事実です。
ここではそんな「数学は暗記するな」という意見が挙がる理由について考察します。
暗記の定義が誤解されやすいから
「数学は暗記するな」という意見の多くは、暗記のことを「丸暗記」だと捉えている場合が多いです。
もちろん「丸暗記」を重ねても、数学の成績はなかなか伸びません。
しかしここまで説明したとおり、数学において効果があるのは「理解を伴う暗記」です。
このように、暗記の定義が誤解されていることで「数学は暗記するな」という意見が挙がってしまうのでしょう。
本質的な理解につながらないから
解法を暗記しても数学の本質的な理解につながらないというのも、暗記数学に対するよくある意見です。
しかし数学の本質は非常に奥深く、中学・高校の勉強や受験の範囲で理解することは難しいと言われています。
実際に学校では本質的な内容を教わらないまま、理屈を抜きにして勉強が進んでいくことが多いですよね。
- なぜ「1+1=2」なのか
- なぜ「-(マイナス)」どうしをかければプラスになるのか
また、暗記数学は「解法への理解を伴う暗記」なので、数学的思考が全く身につかないわけではありません。
もしも「本質的な数学を突き詰めたい」場合は、数学系の大学に進むことで深く学ぶ機会を得られるでしょう。
大切なのは「自分に合った勉強法」を見つけること
ここまで「暗記を使った数学の勉強法」について紹介しましたが、この勉強法が全ての人に効果的というわけではありません。
例えば数学がもともと得意で、暗記しなくても解法が浮かぶ人も中にはいます。
大切なのは「自分に合った勉強法」を見つけ、その方法を一生懸命取り組むことです。
「数学が苦手」「いい勉強法が見つからない」という人は暗記数学を一度真剣に試して、自分に合うかどうかをしっかり見きわめるところから始めてみましょう。
キツネさん
「暗記数学」は真意を理解すれば成績につながる!
数学で暗記を使う勉強法は、真意をしっかりと理解して取り組むことで高い効果が期待できます。
特に数学に対して苦手意識を持つ人にとって、一度試す価値のある勉強法です。
できるだけ多くの解法を理解・暗記するのは簡単ではないですが、時間をかけて勉強すれば成績やテストの点数にもつながっていくでしょう。
「数学の成績を上げたい!」という人は、こちらの記事を参考にして暗記数学にぜひ挑戦してみてくださいね。
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