30代の物忘れの原因8選｜病気と疲れの見極め方と改善法を解説

「30代になってから物忘れが増えてきた」
「仕事でミスが急に増え、言葉が出てこないのは病気なのでは？」

年齢だけでなく、忙しさやストレス、睡眠不足などが重なると誰にでも記憶の揺らぎは起こります。

とはいえ、病気が関わっている可能性もあるため注意は欠かせません。

本記事では、30代の物忘れの原因や病気と疲れの見極め方、さらに改善法について解説します。

最後まで読めば、自分の状況を理解し、すぐに取り入れられる実践的な対策で不安を軽減できるでしょう。

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講師プロフィール

日本一の記憶博士

吉永 賢一

偏差値93

東京大学理科3類合格

IQ180を持つメンサ会員

講師歴32年、元家庭教師で15,000人以上に指導

記憶力ギネス世界新記録保持者という業界随一の肩書を持つ記憶術講師

書籍出版や雑誌掲載多数!

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30代で物忘れが増えるのは自然なこと？それとも病気のサイン？

30代になると仕事や家庭での負担が増え、物忘れが気になる人は少なくありません。

ただし、その原因は加齢だけでなく、生活習慣や病気の影響も考えられます。

物忘れの違い｜加齢と病気

加齢による物忘れと病気による物忘れには、症状の性質や生活への影響に大きな違いがあります。

加齢では「思い出す手がかりがあれば記憶が戻る」ことが多いのに対し、病気の場合は体験そのものを忘れてしまい、思い出せないことが特徴です。

また、加齢性の物忘れは生活に大きな支障を与えにくいですが、病気が原因の場合は仕事や家庭に深刻な影響を及ぼすこともあります。

違いを理解することで、自然な範囲かどうかを判断する助けになります。

30代の加齢による物忘れと病気による物忘れの違いは以下のとおりです。

不安が続く場合は、かかりつけ医や物忘れ外来、脳神経内科などの専門医に早めに相談することが推奨されます。

このように整理することで、日常の「うっかり」と病的な物忘れを見極めやすくなります。

参考：認知症・もの忘れ | NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター

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ストレスや睡眠不足による一時的な物忘れ

ストレスや睡眠不足による一時的な物忘れは、加齢性や認知症とは異なり、生活習慣の影響が大きいとされています。

強いストレスや慢性的な睡眠不足が続くと、脳の情報処理や記憶の保持が一時的に低下することがあります。

この場合は、十分な休養や睡眠の確保、適度な運動、リラックスできる時間の確保などで改善が期待されます。

一方で、症状が長引く、日常生活に支障が出るといった場合には、うつ病や認知症などの病気が関与している可能性も否定できません。

そのため、「単なる疲れ」と自己判断せず、不安が強い場合は早めにかかりつけ医や専門医へ相談することが重要です。

参考：物忘れはストレスが原因？関係や対処法、重度な症状について解説。認知症は早期発見と定期的なセルフチェックが重要｜認知機能セルフチェッカー

若年性認知症やうつによる危険サイン

若年性認知症やうつ病は、30代でも物忘れの原因になることがあります。

体験そのものを忘れてしまう、生活に大きな支障が出る、気分が強く落ち込むなどの症状が見られたら注意が必要です。

早期に発見して治療を始めることで進行を遅らせたり、改善につながる可能性があります。

以下に、若年性認知症とうつ病それぞれの危険サインを整理します。

不安を感じたときは、自己判断せず医師に相談することが大切ですので、当てはまる項目がないかチェックしてみてください。

次のうち5つ以上（1か2を含む）が2週間以上続いていたら、専門家に相談することをお勧めします。

参考：うつ病｜こころの病気について知る｜厚生労働省

このような症状が続く場合は、若年性認知症外来や脳神経内科、精神科など専門医の受診が推奨されます。

早期対応によって生活への影響を最小限に抑えることが可能です。

30代の物忘れの原因9選｜病気か疲れかを見極める

30代になると仕事や家庭の負担が重なり、物忘れを感じることが増えてきます。

一見すると加齢のせいに思えますが、実際には生活習慣や心身の状態が深く関係しています。

① 睡眠不足や質の低下による脳の疲労

睡眠は脳の記憶を整理し、情報を定着させる大切な時間ですが、30代は多忙で十分な睡眠が確保できないことが増えます。

特に深いノンレム睡眠が不足すると、脳の神経細胞の修復や記憶の固定が不十分になり、物忘れが目立ちやすくなります。

さらに睡眠の質が悪いと、浅い眠りの繰り返しによって脳が休まらず、日中の集中力も著しく低下します。

加えて寝る前のスマホ利用や不規則な生活リズムも、質の高い睡眠を妨げる要因となるのです。

そのため睡眠を改善することは、物忘れ予防において最も基本的で重要な対策になります。

参考：睡眠不足が引き起こす記憶障害｜阪野クリニック

関連記事：記憶力と睡眠の関係

② 長時間労働や慢性的なストレス

30代は責任ある立場を担うことが増え、長時間労働や精神的な負担を抱えやすい年代です。

強いストレスが続くと自律神経のバランスが崩れ、脳の働きが乱れ、記憶力や注意力の低下につながります。

さらにストレスホルモンであるコルチゾールの過剰分泌が、脳の海馬にダメージを与え、記憶の定着を妨げることも知られています。

その結果、物忘れが増えるだけでなく、感情のコントロールが難しくなるケースもあります。

ストレスを軽減する方法を生活に取り入れることが、長期的に脳の健康を守るために不可欠です。

参考：海馬とは？！記憶をつかさどる脳の海馬について徹底解説｜ブレインスイート

関連記事：ストレスは記憶力の大敵！脳との関係・記憶を回復させる対処法を解説

③ 運動不足で脳血流が滞る生活

デスクワーク中心の生活を続けると運動不足になり、脳への血流が低下してしまいます。

脳は酸素と栄養を血液から受け取って働いているため、血流不足は記憶力や集中力の低下を招きやすくなります。

実際、軽い有酸素運動を習慣化すると脳の血流が改善し、神経細胞の働きが活性化することが研究でも示されているのです。

運動はストレス解消や睡眠の質向上にも効果的であり、物忘れの予防に多方面で役立ちます。

したがって、日常生活にウォーキングやストレッチを取り入れることが推奨されます。

参考：物忘れ、気になってませんか？ 脳を老化させないために、いますぐ運動をしなくてはいけない７つの理由｜ブレインケアクリニック

関連記事：記憶力に効果的な運動3選 | 習慣づくりのコツも【たった10分】

④ 偏った食生活や栄養バランスの乱れ

食生活の乱れは脳の働きに直結し、特に糖質や脂質に偏った食事は物忘れ、さらには認知症の原因となります。

脳はブドウ糖を主なエネルギー源としているため、急激な血糖値の上下は記憶や思考に悪影響を与えます。

またビタミンB群やオメガ3脂肪酸、鉄分など、記憶や集中力に関わる栄養素が不足すると脳機能が低下しやすくなります。

さらに不規則な食事は腸内環境を悪化させ、自律神経やホルモンの働きにまで影響を及ぼす可能性があります。

そのため栄養バランスを意識した食生活を心がけることが、記憶力を維持するために大切です。

参考：認知症予防のためにできること | 福岡の脳神経外科

関連記事：記憶力アップに効く食べ物ランキング10｜即効性のある食品から日常メニュー例まで

⑤ スマホや情報過多による集中力低下

現代社会では、スマホやパソコンを通じて常に膨大な情報が流れ込みます。

その結果、脳が処理能力を超えて疲弊し、重要な情報と不要な情報を整理できず、記憶に定着しにくくなることがあります。

特にSNSや動画の長時間利用は集中力を分散させ、物忘れの頻度を増やす要因とされています。

さらに、スマホのブルーライトは睡眠リズムを乱し、間接的に記憶力の低下につながる点も見逃せません。

こうした背景から「スマホ認知症」と呼ばれる状態が問題視されています。

スマホ認知症は脳の過労によってアルツハイマー型認知症に似た症状を示すことがあり、記憶力や集中力の低下、注意力の散漫、意欲の低下などがみられるのが特徴です。

ただし、多くの場合は生活習慣の改善で回復が期待できるため、以下の対策が推奨されます。

参考：【令和の病気】スマホ認知症ってなに？症状や対策について詳しく解説｜ヘレネクリニック

関連記事：スマホの弊害は？記憶力を低下させるメカニズムも紹介

⑥ アルコールや喫煙などの不健康習慣

アルコールは脳の神経伝達に影響を与え、過剰に摂取すると記憶の固定を妨げやすくなります。

さらに飲酒量が多いと睡眠の質が低下し、脳が十分に休めず、物忘れのリスクが高まるのです。

喫煙も血管を収縮させて脳への血流を阻害するため、長期的には記憶力や判断力の衰えにつながります。

また、ニコチン依存は一時的に集中力を上げても、その後の急激な低下を招き、脳の働きを不安定にしています。

そのため、生活習慣を見直し、飲酒や喫煙を控えることが物忘れ改善の第一歩といえます。

参考：アルコールに関連した医学的問題｜厚生労働省

関連記事：お酒で記憶をなくさない方法｜脳への影響・原因と具体的な対策を徹底解説

⑦ マルチタスクによる注意力の分散

複数の作業を同時にこなそうとするマルチタスクは、一見効率的に思えても実際には脳に大きな負担をかけます。

脳は同時に複数のことを処理できるわけではなく、短時間でタスクを切り替えることで集中力が分散してしまいます。

その結果、情報を深く記憶に刻むことが難しくなり、物忘れが増える傾向があります。

またマルチタスクが常態化すると、注意力が浅くなり、一つひとつの作業の質も低下します。

意識的にシングルタスクを取り入れることが、記憶力維持に有効です。

参考：マルチタスク遂行における意図的な注意配分能力の基礎的検討

⑧ 結婚や育児による生活環境の変化

30代は結婚や育児といった大きなライフイベントが重なり、生活環境が一変する時期でもあります。

家庭での役割が増えると心身の負担が大きくなり、睡眠不足やストレスの原因になりやすいです。

特に育児では夜間の授乳や子どもの世話で睡眠の質が低下し、脳の疲労が蓄積して記憶力に影響を与えます。

さらに家庭と仕事の両立で常に頭がいっぱいになり、注意力が散漫になるケースも少なくありません。

このため環境の変化に合わせた休養やサポート体制の確保が重要です。

⑨ 女性ホルモンの変化による影響

女性は30代からホルモンバランスの変化が始まり、心身にさまざまな影響を及ぼします。

特にエストロゲンは脳の神経伝達や記憶に深く関わっているため、分泌が乱れると物忘れが増えやすくなります。

東北大学の研究結果によれば、閉経が早い女性は認知機能の低下がより進みやすいことが報告されているのです。

参考：閉経が早い女性は認知機能の低下が進む可能性がある　イングランド高齢者コホートのデータ解析から｜東北大学

さらにホルモン変化は気分の落ち込みやイライラを引き起こし、集中力や判断力を低下させることもあります。

月経前症候群（PMS）や出産後のホルモン変動も、物忘れや思考力低下に関与するといわれています。

参考：ＰＭＳ（月経前症候群）ってなに？　一人で悩まず治療を　無理して我慢しないで｜総合南東北病院

したがってホルモンの影響を理解し、体調管理や医師の相談を活用することが望まれます。

30代の物忘れを防ぐ・改善する生活習慣

30代は仕事や家庭で多忙になりやすく、生活習慣の乱れが物忘れにつながることがあります。

そこで、集中力や記憶力を保つために有効とされる生活習慣の工夫をまとめました。

① 規則正しい生活で睡眠を確保する

規則正しい生活は、脳の働きを整える基本であり、記憶の定着に欠かせない要素です。

特に睡眠は、日中に得た情報を整理し長期記憶として保存する重要な時間になります。

そのため、質の高い睡眠をとる工夫が必要とされています。

その結果、集中力や記憶力の維持にもつながり、物忘れの予防に直結していくのです。

参考：健康づくりのための睡眠ガイド 2023｜厚生労働省

② 適度な運動を習慣化して脳を活性化

有酸素運動は脳への血流を増やし、神経細胞の働きを高めることが研究で示されています。

運動を取り入れることで、集中力や判断力が高まり、物忘れ防止に役立ちます。

さらにストレス解消や睡眠の質の向上にもつながるため、一石二鳥といえます。

忙しい30代でも、1日20分程度のウォーキングなら続けやすい習慣です。

無理をせず日常生活の中に取り入れることで、効果が持続します。

関連記事：集中力を高める運動｜科学的根拠・効果的なトレーニングも紹介！

③ バランスの良い食事で栄養を補う

脳は常に大量のエネルギーを必要としているため、栄養が不足すると物忘れのリスクが高まります。

特にオメガ3脂肪酸（DHA・EPA）、ビタミンB群、良質なたんぱく質は神経伝達や記憶の働きに深く関わっています。

一方で、食生活が偏ると集中力や判断力が低下し、学習や仕事の効率が落ちやすくなるのです。

魚や野菜、大豆製品などを意識して摂ることで栄養バランスを保ち、脳の健康維持に役立ちます。

毎日の食習慣を見直すことが、記憶力を守る基本であり、将来的な物忘れ予防にもつながります。

参考：記憶力を高めるには何を食べればいい？　記憶力向上にはメンタル不調にも注意が必要！？｜スマート脳ドック

関連記事：記憶力アップに効く食べ物ランキング10｜即効性のある食品から日常メニュー例まで

④ ストレスを減らし心をリフレッシュ

ストレスは放置すると脳の働きを弱め、記憶や集中力の低下を招きやすくなります。

自律神経の乱れが続くと、意欲の低下や感情の不安定さにつながることも少なくありません。

そのため、日常の中で意識的にリフレッシュを取り入れる工夫が大切になります。

継続的に取り組むことで、ストレスに強い生活習慣が自然と身についていきます。

関連記事：瞑想は記憶力アップに効果的！簡単にできる方法や習慣にするコツも紹介

⑤ メモやアウトプットで記憶を定着

学んだ内容をしっかり記憶に残すには、インプットに加えてアウトプットを行うことが欠かせません。

メモを書く、声に出す、人に説明するといった行動は、脳に刺激を与え記憶を強化します。

さらに最近注目されているアクティブリコール（能動的想起）を取り入れることで、より効率的に定着させることが可能です。

また、脳の整理機能が高まり集中力や思考力の維持にも役立つのが大きな利点です。

参考：

関連記事：「思い出せない」を解決！アクティブリコールの効果と勉強法を解説

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30代の物忘れに関するよくある質問

30代の物忘れに関するよくある質問を解説します。

物忘れがひどい時は病気の可能性がある？

物忘れが単なるうっかりではなく、体験自体を忘れる場合は病気が隠れている可能性があります。

30代でも若年性認知症やうつ病、さらには睡眠障害や薬の副作用によって記憶障害が起こることがあります。

日常生活に支障が出てきたと感じたら、神経内科や心療内科などの専門医に早めに相談することが大切です。

どんな症状なら病院に行くべき？

約束や予定を繰り返し忘れる、仕事で支障が出る場合は受診の目安になります。

また気分の落ち込みや意欲の低下を伴うときは精神疾患の可能性も考えられます。

違和感が続く場合は放置せず、医師に相談することが望ましいです。

受診するなら何科に相談すればいい？

まずはかかりつけの内科で相談し、必要に応じて脳神経内科などを紹介してもらいます。

強い記憶障害があるときは物忘れ外来や専門医の診察が適切です。

不眠や気分低下を伴う場合は心療内科や精神科の受診も検討します。

ストレス対策や生活習慣で改善できる？

十分な睡眠やバランスの取れた食事、適度な運動が物忘れの改善につながります。

また趣味やリラックス法を取り入れることで脳が休まり、集中力が高まります。

日常の小さな工夫が記憶力の維持に効果を発揮します。

記憶力アップの具体的な方法はある？

新しい学習や読書、日記などで脳を使うことがトレーニングになります。

また有酸素運動を取り入れることで脳の血流が改善し、神経の働きも活発になります。

習慣的に脳を刺激することが記憶力強化の近道です。

まとめ｜30代の物忘れは疲れか病気かを見極め、必要なら早めに受診を

本記事では、30代の物忘れの原因、病気と疲れの見極め方について解説しました。

生活習慣の乱れやストレス、睡眠不足、スマホ過多などの要因を整理し、若年性認知症やうつの注意サインも示しました。

改善策として、睡眠の確保や有酸素運動、栄養バランス、情報整理、メモ・アウトプットを活用すると良いです。

異常な物忘れがあったり、不安が強い場合は早めに専門医へ相談し、自分に合う対策で今日から負担を減らしましょう。

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監修者

的場　惇人（まとば　あつひと）

株式会社Wonder Education　代表取締役

#株式会社Wonder Educationとは？

Wonder Educationは関わっていただいた全ての方に驚愕の脳力開発を体験していただき、
新しい発見、気づき『すごい！~wonderful!~』　をまずは体感していただき、『記憶術は当たり前！~No wonder~』　と思っていただける、そんな環境を提供します。

#記憶術に対する想い

学校教育だけでは、成功できない人がたくさんいる。良い学校を卒業しても、大成功している人もいれば、路頭に迷っている人もいる。反対に、学歴がなくとも、大成功をしている人もいれば、路頭に迷っている人もいる。一体何が違うのか？
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