キツネさん
勉強や仕事に集中できなくて、ダラダラと時間をかけてしまうことはないでしょうか。
短時間で集中して済ませたいとは思っていても、一度集中力が切れると元に戻すのは難しいです。
小休憩でスマホをさわると、気が付くと何時間も経っていたなんてこともあります。
しかし、集中力は方法さえ学べば、だれでも回復させることができます。
この記事では集中力の回復や持続させる方法を具体的に解説しますので、ぜひ参考にしてください。
もくじ
そもそも:人間の集中力には限界がある
人間の集中力は「15・45・90分の法則」にあるように、一般的に90分が限界と言われています。
精神科医の樺沢紫苑さんが提唱している法則です。
- 15分は人間が非常に深い集中力を出せる時間(例:同時通訳の交代時間)
- 45分は一般的な集中力(例:学校の授業時間)
- 90分は集中力の限界時間(例:大学の講義)
参照:樺沢紫苑公式ブログ
このように集中力の波は15分周期で最大90分が人間が集中できる時間です。
15分周期から自分が集中できる最大時間を把握することで、集中力が維持できるペースを作ることが重要です。
集中力が下がったら無理して続けずに回復させよう
仕事や勉強中に「疲れた」「眠い」「他の事が気になる」と感じたら集中力が切れたサインです。
集中している状態は脳に高い負荷がかかっているので、長時間は維持できませんし、脳も疲れやすい状態になっています。
作業を長時間続けていると脳に疲労が蓄積しパフォーマンスが下がり、「疲れた」などのサインを送り休憩を促します。
集中力を回復させるには、疲労している脳を休ませることが重要です。
キツネさん
次のステップでは、集中力を回復させる具体的な方法を紹介します。
集中力を回復させる方法
具体的に集中力を回復させる方法は、以下の7つです。
- 軽い運動と激しい運動を使いこなす
- 集中力を回復させる食べ物をとる
- 瞑想で頭をリセットする
- 仮眠を取る
- グリーンエクササイズでリフレッシュする
- 他のことをして気分を変える
- 動物に触れる
それぞれ解説します。
1.軽い運動と激しい運動を使いこなす
休憩中に運動することで幸福感や意欲が上がるドーパミンが分泌され集中力を回復できます。
運動には「軽い運動」と「激しい運動」の2種類があります。学校や職場、自宅など異なる環境で使い分けで実践できるように、それぞれの特徴を解説します。
①ウォーキングや散歩の軽い運動で脳をリフレッシュ
最近の研究はどんなに軽い運動でも想像以上のメリットを得られることが分かっています。
たとえば学生を対象にした実験では、最大心拍数の約30%という負荷で10分の運動を行っただけでも被験者の脳機能が改善し、認知テストの結果では集中力と記憶力に有意な向上が見られています。
「最大心拍数の約30%」という負荷は、ほぼ普通のウォーキングと同じです。また、階段の上り下りもウォーキングと同等の負荷になりますのでおススメです。ほんの10分の軽い運動でも集中力が上がるので定期的に実践しましょう。
②高負荷な激しい運動で脳を休息
散歩よりもさらに激しい運動で脳を休ませるテクニックです。
「シンドイ運動したら眠たくなる」と心配するかもしれませんが、集中力アップについてはまったく問題ありません。
マギル大学によれば、エアロバイクで15分のスプリントをした被験者は、その後で行った認知タスクの成績が大幅に改善したという実験データもあります。
そのため激しい運動には、かなりの集中力アップ効果があるようです。
このような現象が起きる理由は、激しい運動が脳のメモリを解放するからだと考えられます。スプリントなどで心拍数の限界まで体を動かすと、誰でも難しいことは考えられなくなります。
それにより、脳にたまった考え事やストレスが解き放たれ、脳がリラックス状態になります。結果として大きなリフレッシュ効果が生まれて、勉強や仕事への集中力が上がるわけです。
運動の強度は、息が荒くなって会話ができないレベルを目指しましょう。
キツネさん
2.集中力を回復させる食べ物をとる
休憩中に集中力を回復させる食べ物としてはカフェインが含まれているコーヒーや紅茶などがおススメです。
カフェインの覚醒効果は摂取してから約15分前後に現れ、4~5時間ほど持続します。集中して作業したいときには非常に心強い飲み物です。
また、アミノ酪酸のひとつのGABA(ガンマアミノ酪酸)は脳の血流量を増加させ、脳を活性化し、集中力を回復させる効果があります。GABAを含んだチョコレート製品などを間食に食べるといいでしょう。
GABAは発芽玄米やジャガイモに多く含まれていますので、普段の食事で摂取すると集中力のアップが期待できます。
3.瞑想で頭をリセットする
最近、瞑想の効果についてかなり注目が集まっており、多くの企業も導入しています。
瞑想は情報を遮断することで特定の事柄に集中することがなくなり、脳の無駄なエネルギー消費が抑えられ、集中力の回復効果があります。
たとえばカナダの公立小学校で行われた実験で、9歳前後の生徒約100人をグループに分け、毎日3分×3回の瞑想を4カ月行ったグループと、瞑想しないグループの算数の成績を比較しました。
その結果、瞑想したグループはしなかったグループより15%高いスコアになりました。
瞑想は事前に準備なども不要でどこでも実践できるのがメリットです。
- 背筋を伸ばします。椅子でも床のどちらに座っていても問題ありません。
- 体の力を抜き、大きくゆっくりと深い呼吸をします。
- 時間はまずは5分間を目安にしましょう。
作業の前や集中力が切れたときにやると効果がありますので、試してみてください。
4.仮眠を取る
仮眠は取ることは集中力を回復させる有効な手段で、海外の有名な企業なども仮眠(パワーナップ)を導入していたりします。
ヒトの体内時計のリズムは、就寝時刻からおよそ15時間後に眠気のピークがくるので日中12~16時ごろは眠気を感じやすく集中しにくい時間帯です。
15時までに15〜30分程度の適度な仮眠をとることで、眠気や脳の疲れを効率よく解消でき、集中力が回復、作業能率が高まります。
参照:午後の眠気対策としての短時間仮眠|広島大学大学院総合科学研究科
仮眠もただ寝ればいいというわけでなく、効果を出す正しい方法があるので解説します。
①ベットで寝ない
あえて座った姿勢などで眠り横にならないことで、首にある交感神経節がほどよく刺激されます。
交感神経は覚醒状態をつかさどるので、深い眠りに落ちるのを防いでくれます。
②光をシャットアウト
周囲が明るいと睡眠の質が下がります。アイマスクを付けたりすると、睡眠モードに入りやすくなります。
また、意外と邪魔になるのが、パソコンのディスプレイの光や作動音です。電源を落としたり、スリープモードにするのがおススメです。
③心地よい環境音
脳の活動を抑え、眠りを促すとされるの音を「ホワイトノイズ」といいます。
雨や波、風の音のような心地よい雑音のことです。オフィスやカフェなど騒がしい場所で仮眠するときは、ホワイトノイズを聴けるアプリなどを活用するのもおススメです。
④仮眠前のカフェインで目覚めスッキリ
仮眠前にコーヒーや紅茶、緑茶などを飲むと、仮眠から目覚めるタイミングでカフェインが働いてスッキリと目覚めることができます。
⑤タイムマネジメントが大切
仮眠は短時間だからこそ効果があります。また夕方以降にすると、夜の睡眠に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、アラームを設定して決めた時間の仮眠を取ることが重要です。
正しい仮眠を実践して集中力を回復させましょう。
5.グリーンエクササイズでリフレッシュする
グリーンエクササイズは自然の中で運動し脳をリフレッシュさせる方法です。
自然のなかで運動することで副交感神経が活性化して疲労やストレスを解消させる効果があります。
イギリスのエセックス大学の調査では1,252人を対象に公園など緑が豊富な環境で運動することで、大きなリフレッシュ効果が得られることが証明されています。
水のそばであればさらに効果がアップします。
具体的なグリーンエクササイズの例はこちらです。
- ウォーキング
- サイクリング
- 乗馬
- ガーデニング
- 農作業
- 魚釣り
運動が難しい場合は自然が映っている写真や画像をスマートフォンやパソコンで見たり、自然音を聞くだけでも効果があります。
これらの運動をすることで脳の疲労を解消し集中力を回復できます。
6.他のことをして気分を変える
休憩が下手な人にありがちなのが、作業を止めて休んだとたんに脳の中で衝動を司る「もうひとりの自分」が暴走を始めてしまうケースです。
ちょっと5分だけと思って手を出したスマホのゲームにのめりこみ、気づいたら30分が過ぎて仕事のやる気を失ってしまうようなパターンです。
心当たりがある方は「タスクブレイク」を試してみてください。
重要で難しい仕事の合間に、簡単なタスクをこなしてみるという方法。
簡単なタスクの内容はメールチェックや業務のメッセージにスタンプでの返事、今後のスケジューリングなど。
深く考えずにすぐに完了できそうな作業なら、「タスクブレイク」として使えます。
簡単なタスクには一時的に脳の回転数を落とす作用があり、これでもある程度まで調教師の疲れを癒せます。
と同時に、完全に獣を仕事から切り離すわけではないため、作業へのモチベーションも保つことができるわけです。
キツネさん
7.動物に触れる
動物に触れることでやる気や意欲が上がる幸福ホルモンのドーパミンが分泌されます。
それにより、ストレス解消やリラックス効果があります。
実際に医療や介護の現場では、動物を使ったアニマルセラピーという治療法が活用されています。
普段、動物と触れ合う機会が少ない方は、動物がいるカフェに行くのもおススメです。
また、動物の動画を見て「可愛い」と感じることでも効果はありますので、スマートフォンやパソコンに動画を保存しておくことですぐに実践できます。
最近ではSNSに可愛い動物の動画が掲載されているので、休憩の時間中でも簡単に始められます。
集中力を回復するときの休憩時間はどのくらいが良い?
休憩時間は5分~15分が目安といわれています。長い時間休むと逆に集中力が切れてしますので注意が必要です。
いつ休憩を取ればいいのかで悩んでいる方はこの2つの方法を試してみてください。
- ポモドーロ法
- 48:12分法
集中力の持続時間は個人差があるので、上記2つの方法をもとに自分のベストなタイミングを見つけてみてください。
集中力を下げない方法
集中力を下げない方法は、以下の3つです。
- 細かく休憩を取る
- 睡眠をしっかりとっておく
- 集中しやすい環境をつくる
それぞれ解説します。
1.細かく休憩を取る
「マイクロブレイク」は、数十秒から数分の休憩を細かく取る手法です。
どうしても長時間の休憩が取れないときは、「マイクロブレイク」を実践してください。
ある研究では被験者にPCのモニタを見つめ続ける作業を指示し、その合間にたった40秒だけ花と緑が映し出された自然の写真を見せました。
その結果、作業への集中力が高いレベルで維持され、タスクのエラー率も大きく減ったというデータが出ています。
つまり、脳が感じた一時的なストレスを解くだけなら40秒でも効果は得られます。
もし脳になんらかの疲れを感じたら、自然の画像を見たり、部屋の窓から大きな雲などを眺めてリフレッシュしてみてください。
2.睡眠をしっかりとっておく
睡眠は記憶の整理や疲労の回復、体を修復する役割があり、集中力を下げない方法としても非常に重要です。
マサチューセッツ州にある米国科学研究所が行った睡眠不足の患者のアイトラッキング・テストでは、睡眠不足の程度が深刻であるほど認知能力や注意喚起能力が低下しました。
また、そのテスト結果は、脳震盪のような軽度の外傷性脳障害を負った被験者のテスト結果と似たパターンであると分かっています。
つまり、睡眠不足は著しく脳のパフォーマンスを下げるので睡眠の量、質、タイミングの確保が大事です。
①睡眠の量
睡眠の”量”は、最も大事な条件です。年齢ごとに異なりますが、就学・労働世代の15~65歳では8時間前後の睡眠時間が理想的とされています。
②睡眠の質
就寝前にすることで睡眠の質を上げられる方法を紹介します。
- 夕方以降のカフェインを避ける、
- 就寝3時間前までには夕食を済ませる
- パソコンやスマホを見ない
- 就寝の90分前に入浴する
③睡眠のタイミング
どの時間帯に就寝するかも大切で、22時〜2時は「ゴールデンタイム」といわれています。この時間に成長ホルモンが分泌され、傷ついた細胞が修復されますので睡眠の効果が高まります。
睡眠の量、質、タイミングを整えることで、脳は十分な休息を得るので集中力の低下を防げます。
3.集中しやすい環境をつくる
作業にだけ集中できるように環境をつくることも重要です。
集中しやすい環境を「気温/室温」「環境音・BGM」「照明」の3つのポイントで解説します。
①気温/室温
人によって心地よいと感じる気温は違いますが、海外の論文では「22℃あたりが最も作業効率が良い」という研究結果もあります。
季節によって若干変動しますが、22℃〜23℃くらいを目安に室温が調整できると作業に集中しやすくなります。
②環境音・BGM
無音よりも少し雑音やBGMなどがあるほうが集中力が上がるのは実証されています。たとえば、静かなカフェなど音が多少ある方が人は集中しやすくなります。
③照明
集中しやすい空間の照明の色が重要です。
照明には3色あります。
- 昼白色(太陽光に近い白色)
- 昼光色(青みがかかった白色)
- 電球色(オレンジ色)
集中力を上げるには「昼光色」を選びましょう。
昼光色の青みがある明るさは脳を覚醒させて集中力を上げる効果があります。実際に、オフィスや学習塾でも昼光色が使われています。
まとめ
人の集中力は90分が限界といわれています。「疲れた」「眠い」など注意力が散漫な状態は体からの集中力が切れたサインですので、無理をせずに休憩をしてください。
休憩で集中力を回復させるために具体的に7つの方法を解説しましたので、集中力が切れたときに試してみてください。
- 軽い運動と激しい運動を使いこなす
- 集中力を回復させる食べ物をとる
- 瞑想で頭をリセットする
- 仮眠を取る
- グリーンエクササイズでリフレッシュする
- 他のことをして気分を変える
- 動物に触れる
また、集中力を下げないポイントを3つ解説しました。
- 細かく休憩を取る
- 睡眠をしっかりとっておく
- 集中しやすい環境をつくる
作業効率を上げるためには集中力を下げないことも重要です。日常生活に取入れてみてください。
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