保育士で年収1000万円は可能?平均・中央値と収入アップ戦略

キツネさん

「保育士の年収って本当に低いの?」
「頑張れば年収1000万円は目指せる?」

このような疑問や不安を感じている保育士の方は、決して少なくないでしょう。

本記事では、保育士の平均年収・中央値から年収1000万円の現実性、具体的な収入アップ戦略まで解説しました。

最後まで読めば、保育士としてのキャリアパスと年収の全体像が明確になり、収入を高めるための具体的な行動指針が見えてきます。

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講師プロフィール

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吉永 賢一

偏差値93

東京大学理科3類合格

IQ180を持つメンサ会員

講師歴32年、元家庭教師で15,000人以上に指導

記憶力ギネス世界新記録保持者という業界随一の肩書を持つ記憶術講師

書籍出版や雑誌掲載多数!

もくじ

保育士の平均年収と中央値のリアル

保育士の給与水準は、処遇改善の取り組みによって年々上昇傾向にあります。

ここでは、最新の賃金構造基本統計調査をもとに保育士の年収データを多角的に整理しました。

具体的には、以下の5つの観点から解説します。

  • 保育士の平均年収はいくら?
  • 中央値から見る”本当の年収相場”
  • 年代別(20代・30代・40代・50代)の年収推移
  • ボーナス込みの手取り額の目安
  • 公立と私立で年収はどれくらい違う?

それぞれのデータを確認していきましょう。

保育士の平均年収はいくら?

令和6年賃金構造基本統計調査によると、保育士(企業規模10人以上)の平均年収は約407万円です。

内訳を見ると、きまって支給する現金給与額は月額約27万7,200円、年間賞与その他特別給与額は約74万1,700円となっています。

令和6年の調査で初めて保育士の平均年収が400万円を突破しており、処遇改善の効果が数値に表れています。

前年の令和5年調査では約397万円であったことから、約10万円の上昇です。

今後も国の処遇改善施策によって、保育士の年収はさらに上昇していく可能性が高いと考えられます。

参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

中央値から見る”本当の年収相場”

平均年収は一部の高年収者によって引き上げられるため、中央値の方がより実態に近い年収水準を示します。

賃金構造基本統計調査の所定内給与額の分布特性値では、企業規模(10人以上)の保育士の所定内給与額の中央値は約25.9万円とされています。

この中央値と先ほどの年間賞与の平均値をもとに年収を推計すると、おおむね380万円台が「保育士の真ん中の年収」といえるでしょう。

つまり、平均年収407万円という数値には園長や主任など高い役職者の年収も含まれており、一般的な保育士の感覚とはやや乖離があります。

自分の年収が平均を下回っていても、中央値との比較で見れば標準的な水準であるケースは少なくありません。

参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

年代別(20代・30代・40代・50代)の年収推移

保育士の年収は年齢とともに段階的に上昇し、55〜59歳で約467万円のピークに達します。

年齢 平均月収 平均賞与 平均年収
20〜24歳 23万6,100円 51万7,800円 335万1,000円
25〜29歳 25万8,100円 62万7,000円 372万4,200円
30〜34歳 27万100円 65万6,300円 389万7,500円
35〜39歳 28万9,100円 83万7,400円 430万6,600円
40〜44歳 28万3,000円 80万8,200円 420万4,200円
45〜49歳 29万4,000円 86万3,700円 439万1,700円
50〜54歳 29万4,700円 81万9,000円 435万5,400円
55〜59歳 30万9,000円 95万7,100円 466万5,100円

20代前半は年収335万円程度からスタートし、30代後半になると400万円台に到達するのが一般的な傾向です。

35歳前後で主任や副主任といった役職に就くケースが増え、このタイミングで賞与額が大きく伸びています。

60代以降は再雇用やパート勤務に移行する方が増えるため、年収は減少に転じる傾向があるでしょう。

参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

ボーナス込みの手取り額の目安

保育士の手取り額は、一般的に額面の約75〜85%が目安とされています。

平均年収407万円から社会保険料・所得税・住民税を差し引くと、年間の手取りはおよそ310万〜340万円程度になるでしょう。

月額換算すると、毎月の手取りは約22万円前後となり、ボーナス月には追加で手取り30万〜35万円程度が上乗せされる計算です。

ただし、扶養家族の有無や住宅ローン控除などの個人条件によって手取り額は変動するため、上記はあくまで概算として捉えてください。

手取りを増やすには、iDeCoやふるさと納税などの所得控除制度の活用も有効な手段です。

参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

公立と私立で年収はどれくらい違う?

こども家庭庁の「令和6年度経営実態調査」によると、公立保育所における常勤保育士の平均年収(賞与込み)は約436万円、私立保育所では約410万円という結果でした。

両者を比較すると、公立の方が年間で約26万円高くなる計算です。

施設形態 月収(賞与込み) 年収(賞与込み)
公立保育園 約36万3,315円 約435万9,780円
私立保育園 約34万1,468円 約409万7,616円

公立保育園の保育士は地方公務員として採用されるため、安定した昇給制度と各種手当が適用されます。

一方で、処遇改善加算の効果により私立保育園の給与水準も年々上昇しており、両者の差は縮小傾向にあるでしょう。

なお、役職が付くと公立と私立の差はさらに広がり、主任クラスでは70万〜100万円の差が生じるケースもあります。

参考:こども家庭庁「令和6年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」

保育士で年収600万・800万は可能?

一般的な保育士の平均年収は約407万円ですが、キャリアの積み方によっては600万〜800万円台に到達する道も存在します。

どのようなポジションや働き方であれば高年収が実現できるのかを具体的に見ていきましょう。

以下の4つのパターンから解説します。

  • 年収600万円に到達する働き方
  • 公務員保育士の年収モデル
  • 主任・副園長クラスの収入目安
  • 都市部(東京など)での年収相場

順番に確認していきましょう。

年収600万円に到達する働き方

保育士が年収600万円を超えるためには、主任保育士以上の役職に就くことが最も現実的なルートです。

令和6年度のこども家庭庁経営実態調査によると、私立保育園の主任保育士の平均年収は約602万円となっており、園や地域によっては600万円を超えるケースもあります。

また、処遇改善等加算による副主任保育士手当(月額最大4万円)を受給することで、一般保育士でも年収450万〜500万円台に到達する可能性はあるでしょう。

さらに、都市部で夜間保育や病児保育など専門性の高い保育に携わることで、手当が加算され年収が上がる傾向にあります。

年収600万円はキャリアの節目として十分に視野に入る目標といえます。

参考:こども家庭庁「令和6年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」

公務員保育士の年収モデル

公務員保育士は地方公務員の給与体系が適用され、年功序列で着実に昇給していく安定した年収モデルが特徴です。

地方公務員給与実態調査では、保育士が含まれる福祉職の給料月額は約32万6,000円、諸手当を含めると約35万8,000円に達します。

これを年収換算すると、ベテランの公務員保育士では500万〜600万円台が十分に見込めるでしょう。

さらに公務員保育士として主任や園長に昇進した場合は、年収700万〜774万円に達する事例も報告されています。

ただし、公務員保育士の採用枠は年々減少しているため、早めの準備と計画的な受験が求められます。

参考:こども家庭庁「令和6年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」

主任・副園長クラスの収入目安

こども家庭庁の令和6年度経営実態調査によると、私立保育園における施設長(園長)の平均年収は約736万円、主任保育士は約602万円です。

公立保育園ではさらに高く、園長クラスで年収774万円程度に達するケースもあります。

主任保育士への昇進には一般的に勤続10年以上の経験が必要とされ、キャリアアップ研修の修了が条件となる場合が多いでしょう。

副園長・園長まで昇進すれば700万円前後の年収が見込めるため、長期的なキャリア設計が重要になります。

特に公立保育園では、勤続年数が長いほど役職への昇進機会が増え、年収の上昇幅も大きくなる傾向があります。

参考:こども家庭庁「令和6年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」

都市部(東京など)での年収相場

令和6年賃金構造基本統計調査によると、東京都の保育士の平均年収は約422万円で、全国平均を約15万円上回っています。

都市部では物価や家賃が高い分、保育士の給与にも地域手当が上乗せされる傾向があります。

さらに東京都では保育士宿舎借り上げ支援事業により、一戸あたり最大82,000円の家賃補助が適用されるケースもあるでしょう。

神奈川県・千葉県・大阪府なども全国平均を上回る給与水準にあり、都市部での勤務は手取り額を大きく引き上げる選択肢となります。

ただし、都市部は生活コストも高いため、家賃補助や通勤手当など福利厚生面も含めて総合的に判断することが大切です。

参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

保育士で年収1000万円は本当に可能?

保育士として年収1000万円に到達することは、一般的な雇用形態では極めて難しいのが現実です。

しかし、経営者やコンサルタントなど保育の専門性を活かした道を選べば可能性はゼロではありません

ここでは、以下の5つの視点から年収1000万円の現実性を検証します。

  • 年収1000万円に到達するのはどんな人?
  • 園長・法人経営層の年収モデル
  • 保育園を開業・経営した場合の収益構造
  • 企業内保育・フランチャイズの可能性
  • 到達難易度とリスク

それぞれ詳しく見ていきましょう。

年収1000万円に到達するのはどんな人?

保育業界で年収1000万円に達しているのは、複数の保育園を展開する経営者や教育コンサルタントとして独立した方がほとんどです。

雇用される立場の保育士として年収1000万円に到達する事例は、現行の給与体系ではまず見られません。

保育園の運営費は国や自治体の補助金に大きく依存しており、人件費として配分できる割合には構造的な限界があります。

そのため、年収1000万円を目指すには保育士の専門性を軸にしつつ、経営や事業展開のスキルを掛け合わせることが必須となるでしょう。

いわば「保育×ビジネス」という掛け算のキャリアを構築できる人だけが到達可能な領域です。

参考:厚生労働省「保育士の現状と主な取組」

園長・法人経営層の年収モデル

こども家庭庁の調査では、私立保育園の施設長(園長)の平均年収は約736万円、公立では約796万円とされています。

園長クラスの年収は700万〜800万円が上限の目安であり、単独園の園長として年収1000万円に到達するケースは稀です。

ただし、社会福祉法人や株式会社が複数園を運営する場合、法人の理事長や経営幹部として年収1000万円以上を得ている事例はあります。

この場合は保育士としてではなく、法人経営者としての報酬が大きな割合を占めることになるでしょう。

園長を目指すキャリアは年収700万円前後まで到達可能な堅実なルートですが、1000万円には別の戦略が必要です。

参考:こども家庭庁「令和6年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」

保育園を開業・経営した場合の収益構造

認可保育園の運営収入は、主に国・自治体からの施設型給付費(補助金)と保護者からの保育料で構成されています。

定員60名程度の認可保育園の場合、年間の運営収入は1億円前後に達するケースが一般的です。

しかし、このうち約70〜80%は人件費に充てられるため、経営者の手元に残る利益は限られています。

複数園を展開してスケールメリットを活かすことで、法人全体の収益を高め、経営者として年収1000万円以上を実現する道が開けるでしょう。

開業には認可取得の手続きや初期投資が必要であり、経営リスクも伴うため、事前の計画と資金調達が不可欠です。

企業内保育・フランチャイズの可能性

企業内保育所の運営受託やフランチャイズモデルは、保育事業で収益を拡大するための選択肢の一つです。

大手企業の事業所内保育を受託する場合、安定した委託費収入が見込まれる一方で、運営費は企業側の予算に左右されることがあります。

フランチャイズ方式で保育園を展開する事業者もありますが、加盟金やロイヤリティが発生するため、収益性には注意が必要でしょう。

企業内保育や委託型の場合、保育士個人の年収が1000万円に到達するわけではなく、あくまで経営者としての収益となります。

いずれの方法も経営リスクと事業拡大のバランスを慎重に検討する必要があるでしょう。

到達難易度とリスク

保育士として年収1000万円に到達する難易度は、率直にいって非常に高いといわざるを得ません。

保育園の収益は補助金に依存しており、一般企業や成果報酬型のように売上を自由に拡大することが難しい構造だからです。

経営者として複数園を運営する場合でも、待機児童の減少や少子化の影響で、長期的な園児確保に不確実性が伴います。

また、保育事業は労働集約型であり、人材の採用・定着が収益に直結するため、マネジメント能力が求められるでしょう。

年収1000万円は「不可能ではないが極めてハードルが高い」という認識のもと、段階的な目標設定で着実にキャリアを築いていくことが重要です。

なぜ保育士は「給料が安い」と言われるのか?

保育士の給与が全職種平均を下回る背景には、業界特有の構造的な要因が存在します。

補助金制度や人件費比率など、保育業界の収益構造を理解することで、年収が低く抑えられる理由が見えてきます。

以下の4つの観点から、保育士の給料が安いとされる背景を整理します。

  • 補助金中心の収益構造
  • 人件費比率が高い業界特性
  • 昇給カーブが緩やかな理由
  • 「安いのは当たり前」と言われる背景

それぞれの要因を詳しく解説していきます。

補助金中心の収益構造

認可保育園の運営費は、国・自治体からの施設型給付費(補助金)と保護者の保育料で大部分が賄われています。

つまり、保育園は一般企業のように売上を拡大して利益を増やすことが構造的に難しい事業形態です。

補助金の額は国が定める「公定価格」によって決まるため、園の努力だけでは収入の上限を引き上げることができません。

保育料も自治体ごとに基準が設定されているため、園が独自に料金を引き上げる余地はほぼ存在しないでしょう。

この収益構造が保育士の給与に直接影響し、昇給や待遇改善の原資が限られる根本原因となっています。

人件費比率が高い業界特性

保育事業は典型的な労働集約型産業であり、運営費に占める人件費の割合は70〜80%に達します。

法律で定められた配置基準に基づいて一定数の保育士を確保する必要があるため、人件費を削減する余地が限られています。

実際の保育現場では配置基準以上の保育士を配置している園も多く、その分の追加人件費は補助金ではカバーされません。

10人分の補助金で15人の保育士を雇用するような状況が生まれるため、一人あたりの給与が低くなる構造的な問題が存在するでしょう。

人件費比率を下げることが難しい以上、保育士の給与改善には補助金の増額が不可欠です。

昇給カーブが緩やかな理由

保育士の昇給が緩やかな理由の一つは、園長・主任以外の一般保育士にはポストが限られている点にあります。

一般企業では課長・部長など多段階の役職昇進が昇給に結びつきますが、保育園の役職は園長・主任・副主任程度に限られています。

処遇改善等加算制度により副主任保育士や専門リーダーなどの新たな役職が創設されましたが、手当は月額5,000円〜最大4万円にとどまります。

また、公定価格の改定ペースが物価上昇に追いつかないことも、実質的な昇給を鈍化させる要因となっているでしょう。

キャリアアップ研修の受講や資格の取得により、段階的に処遇改善手当を獲得していくことが昇給のカギとなります。

参考:施設型給付費等に係る 処遇改善等加算について|こども家庭庁

「安いのは当たり前」と言われる背景

保育士の給料が安いことが「当たり前」とされてきた背景には、保育が「誰にでもできる仕事」という社会的な偏見が存在します。

子どもの命を預かり発達を支える専門職であるにもかかわらず、「子どもと遊んでいるだけ」という誤った認識が根強く残っています。

また、保育士の約95%が女性であることから、かつてのジェンダーバイアスによって賃金が低く据え置かれてきた歴史的経緯もあるでしょう。

しかし近年は処遇改善が加速しており、令和6年調査で初めて平均年収が400万円を突破するなど、状況は着実に変化しています。

「安いのは当たり前」という認識は過去のものになりつつあり、今後もさらなる改善が期待される段階にあります。

参考:厚生労働省「保育士の現状と主な取組」

働き方別|保育士の年収比較

保育士の年収は、勤務先の種類や雇用形態によって大きく異なります。

自分に合った働き方を選ぶうえで、それぞれの年収水準を把握しておくことが重要です。

以下の表で、働き方別の年収レンジをまとめました。

働き方 年収目安 特徴
公立保育園
(公務員)
456万〜736万円 安定昇給・手当充実
私立保育園 430万〜700万円 園により差が大きい
病院
乳児院など施設保育
400万〜450万円 夜勤手当の上乗せあり
派遣
パート
時短勤務
150万〜276万円 時給制・柔軟な勤務
フリーランス保育士 300万〜500万円 稼働量により変動

それぞれの働き方の詳細を順番に解説します。

公立保育園(公務員)の年収

公立保育園の保育士は地方公務員として、年功序列に基づく安定した昇給が保障されています。

一般保育士で年収約456万円、園長クラスでは約797万円に達するケースもあります。

退職金制度や各種手当も充実しており、長期的な収入安定性では最も優れた選択肢といえるでしょう。

参考:こども家庭庁「令和6年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」

私立保育園の年収レンジ

私立保育園の年収は園の経営状況や法人の規模によって幅がありますが、こども家庭庁の調査によると一般保育士の平均年収430万円が目安です。

主任や園長に昇進すれば平均年収は602万円に到達し、園長年収は736万円とされています。

処遇改善加算の導入により公立との差は年々縮小しており、私立でも十分な待遇を得られる園は増えています。

参考:こども家庭庁「令和6年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」

病院・乳児院など施設保育の年収

病院内保育所や乳児院で勤務する保育士は、夜勤手当や特殊勤務手当が加算されるため、日勤のみの保育園よりも月収が高くなる傾向があります。

厚生労働省の調査では、医療型児童発達支援施設の保育士の平均月収は約32万円で、賞与額が一般的な保育園の保育士と同じとすれば年収400~450万円の水準です。

夜勤を含むシフト制の勤務が一般的であるため、生活リズムへの適応が求められるでしょう。

参考:厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査結果」

派遣・パート・時短勤務の収入目安

パート保育士の平均時給は1,370円で、1日8時間×21日勤務とすれば23万円、年収に換算すると276万円前後が一般的な水準です。

扶養内で働く場合は年収130万円以下に調整するケースが多く、正社員との収入差は大きくなります。

柔軟な勤務時間で働ける反面、賞与や退職金が支給されない場合が多いため、長期的な収入計画が必要でしょう。

参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

フリーランス保育士の収益モデル

フリーランス保育士はベビーシッターや保育イベントの企画など、自分のスキルや経験を活かした多様な働き方が可能です。

収入は稼働量に大きく左右され、年収300万〜500万円程度が一般的な水準となっています。

SNSを活用した集客や保育関連の講師業など、複数の収入源を持つことで安定した収益を確保しやすくなるでしょう。

年収が高い保育士の共通点

同じ保育士でも年収に大きな差が生まれるのは、キャリアの積み方や働く環境に明確な違いがあるからです。

高年収を実現している保育士に共通する4つの特徴
  • 役職ポジションを早期に目指している
  • 専門分野(療育・英語・マネジメント)を持つ
  • 都市部や成長法人で働いている
  • 経営視点を持っている

それぞれのポイントを解説します。

役職ポジションを早期に目指している

年収の高い保育士は、入職初期からキャリアアップを意識して行動しているという共通点があります。

主任保育士の平均年収は約600万円と一般保育士の約1.5倍に達するため、役職への昇進は年収を大きく押し上げる要因です。

キャリアアップ研修を早期に受講し、副主任や専門リーダーの認定を取得しておくことで、処遇改善手当を受給できるようになります。

「いつか昇進できれば」ではなく、具体的な年次目標を持ってスキルを積み上げる姿勢が重要でしょう。

園長を目指す場合には、保育スキルだけでなくマネジメントや保護者対応のスキルも磨いておく必要があります。

専門分野(療育・英語・マネジメント)を持つ

保育の現場では、特定の専門スキルを持つ保育士の需要が高まっています。

たとえば、発達障がい児への療育支援や英語保育、リトミック指導などの専門性は、転職市場でも高く評価される傾向にあります。

専門分野を持つことで、園から「この人にしかできない仕事」として認識され、給与交渉や昇進の際に有利に働くでしょう。

児童発達支援管理責任者や保育士専門のマネジメント研修など、具体的な資格取得を計画的に進めることが大切です。

専門性の幅を広げることは、年収アップだけでなく保育の質を高めることにもつながります。

都市部や成長法人で働いている

東京都の保育士の平均年収は約422万円と全国平均を上回っており、勤務地の選択は年収に直結する重要な要素です。

都市部では保育士不足が深刻なため、給与水準を引き上げて人材を確保する園が多く見られます。

また、複数園を運営する成長中の法人では、園長候補やエリアマネージャーなど高待遇のポジションが用意されている場合があるでしょう。

家賃補助や借り上げ社宅制度を活用すれば、都市部の高い生活コストを抑えながら高年収を実現できます。

勤務地と法人の成長性を重視した就職・転職活動が、年収を引き上げる近道になります。

参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

経営視点を持っている

年収が高い保育士の中には、園の経営課題を理解し、自ら改善策を提案できる人が多く見られます。

保護者満足度の向上策や保育士の定着率改善など、経営に直結するテーマに取り組むことで、園からの評価が高まります。

園長候補や法人幹部として抜擢されるためには、保育現場のスキルだけでなく、収支管理や労務管理の知識も求められるでしょう。

「保育の質を高めることが経営の安定につながる」という視点を持てるかどうかが、年収の分岐点になります。

経営に関する書籍やセミナーでの学びを日々の業務に活かすことで、キャリアの選択肢が大きく広がるはずです。

保育士で年収を上げる具体戦略

年収を上げたいと考えている保育士にとって、具体的にどんな行動を取ればよいのかは最も気になるポイントです。

実践的な5つの戦略を理解し、自分に合ったアプローチを選ぶことで、着実な年収アップを実現できます。

以下の戦略を順番にご紹介します。

  • 公務員保育士への転職戦略
  • 主任・園長を目指すキャリア設計
  • 都市部・高単価エリアへの移動
  • 保育園経営という選択肢
  • キャリアアップ研修や資格の活用

一つずつ詳しく見ていきましょう。

公務員保育士への転職戦略

公務員保育士は長期的な昇給と手厚い福利厚生が魅力であり、年収の安定性を最優先に考える方にとって最適な選択肢です。

公務員試験の受験資格は自治体ごとに異なりますが、多くの場合30歳前後までの年齢制限が設けられています。

筆記試験と実技試験の対策が必要ですが、保育士資格を持っていれば受験資格を満たせるケースがほとんどでしょう。

ただし、近年は公立保育園の民営化が進み、採用枠が減少傾向にあるため、複数の自治体を併願する戦略が有効です。

公務員保育士への転職は年齢制限がある分、早めの情報収集と試験対策が成功の鍵を握ります。

主任・園長を目指すキャリア設計

主任保育士や園長への昇進は、保育士として年収を大きく引き上げる最も確実な方法の一つです。

一般的に主任への昇進には10年以上の実務経験が目安とされ、園長にはさらに管理職経験が求められます。

キャリアアップ研修の全分野を計画的に受講し、副主任保育士や専門リーダーの認定を着実に積み上げていくことが重要でしょう。

園長を目指す場合は、保育技術だけでなく施設運営や人事管理、保護者対応のスキルも求められます。

「3年後に副主任、5年後に主任、10年後に園長」といった具体的な年次計画を立てることで、着実にゴールに近づけるはずです。

都市部・高単価エリアへの移動

都市部への転職は、同じ職種・役職でも年収を数十万円単位で引き上げられる効果的な戦略です。

東京都と地方県では保育士の平均年収に100万円以上の差が生じるケースもあり、勤務地選びのインパクトは大きいでしょう。

特に東京都・神奈川県・千葉県・大阪府などは保育士不足が深刻なため、給与面で好条件の求人が多く見られます。

保育士宿舎借り上げ支援事業を活用すれば、都市部の家賃負担を大幅に軽減できるため、実質的な手取り増加が見込めます。

転職エージェントを活用し、家賃補助や住宅手当の条件も含めて総合的に比較検討することをおすすめします。

保育園経営という選択肢

保育士としてのキャリアの延長線上に、保育園の開業・経営という選択肢があります。

認可保育園を開設するには自治体への申請と審査が必要ですが、補助金による安定した収益基盤を築くことが可能です。

複数園を運営する法人の代表となれば、経営者としての報酬は保育士の給与を大きく上回るでしょう。

ただし、開園には数千万円規模の初期投資が必要であり、建物の確保や職員の採用など多くのハードルが存在します。

まずは園長として経営経験を積み、開業資金の準備と事業計画の策定を同時に進めることが現実的なステップです。

キャリアアップ研修や資格の活用

処遇改善等加算制度では、キャリアアップ研修を修了した保育士に対して月額最大4万円の手当が支給されます。

研修は「乳児保育」「幼児教育」「障害児保育」「食育・アレルギー」「保健衛生・安全対策」「保護者支援・子育て支援」「マネジメント」の分野に分かれています。

全分野の研修を計画的に受講することで、副主任保育士や専門リーダーへの昇格条件を満たすことができるでしょう。

また、幼稚園教諭免許や児童発達支援管理責任者資格など、関連資格の取得もキャリアの幅を広げる効果があります。

資格取得に要する費用は長い保育士人生を考えれば十分に回収できる投資であり、早めに着手するほど恩恵は大きくなります。

参考:こども家庭庁「保育士等キャリアアップ研修について」

保育士試験には吉永記憶学がおすすめ

資格試験は、知識量だけでなく「思い出せるかどうか」が結果を左右します
実は多くの人が、覚えることに時間を使いすぎて、記憶を定着・想起する手順を意識できていません。

吉永式記憶学では、脳の仕組みに沿って情報を整理し、必要なときに思い出せる形で学習を進めます。
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保育士の年収に関するよくある質問(FAQ)

保育士の年収に関するよくある質問について解説します。

保育士で年収1000万円は現実的?

雇用される保育士として年収1000万円に到達するのは、現行の給与体系では現実的ではありません

ただし、保育園の経営者や複数園を展開する法人の代表であれば、年収1000万円以上を得ている事例は存在します。

保育の専門性を軸にしながら、経営やコンサルティングのスキルを掛け合わせることが到達条件となるでしょう。

保育士の平均年収は本当に低い?

令和6年賃金構造基本統計調査では、保育士の平均年収は約407万円と初めて400万円を突破しました。

日本人の平均年収(約460万円)と比べるとまだ低い水準ですが、処遇改善の効果で年々上昇傾向にあります。

今後も国の施策による賃上げが続く見通しであり、保育士の給与水準は着実に改善されていくと考えられるでしょう。

男性保育士は年収が高い?

令和6年の調査では、男性保育士の平均年収は約439万円、女性は約405万円と、男性の方が約34万円高い結果が出ています。

この差は主に、男性の方が勤続年数が長い傾向にあることや、管理職に就く割合が高いことに起因しています。

性別による賃金格差の縮小は社会全体の課題であり、保育業界でも改善に向けた取り組みが進められています。

公立と私立ではどちらが高収入?

一般的には公立保育園の方が年収は高い傾向にあり、こども家庭庁の調査でも約20万円の差があります。

ただし、処遇改善加算の効果で私立保育園の給与水準も年々上昇しており、差は縮小傾向にあります。

私立でも複数園を展開する大手法人では、公立以上の待遇を提示しているケースがあるため、一概に公立が有利とはいえません。

未経験からでも年収は上がる?

保育士は資格を取得していれば未経験からでも就職可能であり、経験を積むことで段階的に年収は上昇します。

賃金構造基本統計調査では、経験0年から15年以上で約180万円の年収差が確認されています。

未経験スタートでも、キャリアアップ研修の受講や役職への昇進を計画的に進めることで、着実に年収を伸ばせるでしょう。

まとめ|保育士で年収1000万円は可能だが難易度は高い

本記事では、保育士の平均年収や中央値から年収1000万円の現実性、そして具体的な収入アップ戦略まで幅広く解説しました。

保育士の平均年収は約407万円と年々上昇しており、主任や園長への昇進によって600万〜700万円台も十分に視野に入ります。

年収1000万円は保育園経営など「保育×ビジネス」の掛け算が必要であり、雇用される立場では到達が難しいのが現実です。

しかし、処遇改善制度やキャリアアップ研修の活用、都市部への転職など、自分の努力で年収を引き上げる方法は確実に存在します。

まずは自分の現在地を把握し、3年後・5年後・10年後の具体的なキャリアプランを描くことから始めてみてください。

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監修者
的場 惇人(まとば あつひと)

株式会社Wonder Education 代表取締役

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学校教育だけでは、成功できない人がたくさんいる。良い学校を卒業しても、大成功している人もいれば、路頭に迷っている人もいる。反対に、学歴がなくとも、大成功をしている人もいれば、路頭に迷っている人もいる。一体何が違うのか?
「人、人、人、全ては人の質にあり。」
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