キツネさん
僕、昔から歴史の暗記がとても苦手なんだよね……。
簡単に覚える方法ってないのかな?
数学などの自分で解き進めていく科目は得意だけど、覚えることが基本の歴史はどうも苦手!という学生さんの悩みをたくさん聞きます。
複雑な事件の流れや、似たような人物の名前など、一つ一つを覚えていくのはとてもたいへんですよね。
そこで今回はそんな歴史について、昔同じように苦労した大人が「あのとき、知っておきたかった!」と思う「覚える時にしてはダメなこと、したほうが良いこと」を紹介します。
10年以上、中学生・高校生の受験指導をしてきた筆者が、受験生でも今日から試せるコツをお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
歴史が覚えられない原因と対処方法
歴史が覚えられない原因には次のようなものがあります。
- ただ「丸暗記」しようとしている
- 人名が覚えられない
- 歴史に興味がない
キツネさん
僕の場合、2番目が当てはまりそうです!
どうすれば改善できるのかぜひ知りたいですね。
では、一緒に見ていきましょう。
事件や出来事の「意味」が理解できていない
歴史を覚えることが苦手な人は、ただ暗記しようとしている人が多いです。
例えば中学では「壬申(じんしん)の乱」という出来事を習いますが、いったい誰と誰が何のために争ったか覚えていますか。
また、「壬申」とはいったいどういう意味なのでしょう。
・「壬申」とは干支を用いた年号(西暦なら672年)のこと
歴史は人の行いを記録したものですから、必ず流れが存在します。この「流れ」を意識して覚えるべきなのです。
人名が覚えられない
とくに世界史で苦しむのがカタカナの人名暗記。
覚えるコツは次の2つです。
- 語呂合わせ
- 映像化してストーリーにする
カタカナのメリットは、自分の好きなところで区切って語呂合わせがしやすいことです。
まずは人名を語呂合わせで覚えて、その語呂からイメージを作りましょう。詳しい方法は後述しますね。
関連記事:記憶術とは?おすすめの記憶術6選やトレーニング方法もご紹介
歴史が面白くない
ものごとを覚えるときに強い感情をもつと、記憶の定着率が高くなります。
富山大学名誉教授の福田正治氏の研究によれば、災害などで強い恐怖感情が想起された場合、記憶システムに不可逆的変化をもたらすとのことです。
ここでは、怖い記憶が忘れられなくなることです。
この作用は恐怖だけではありません。
例えば旅行の楽しい記憶がいつまでも残ることは、誰しも経験知としてわかっていると思います。これを歴史を覚える際に利用しましょう。
時代小説を読んで登場人物に感情移入する方法もありですが、おすすめなのは歴史マンガです。子ども向けの本だとバカにしてはいけません。
筆者のまわりにいる「三国志オタク」は、もれなく横山光輝の「三国志」シリーズを読んでファンになっています。
興味を持つ入り口としてマンガは優秀なのです。
歴史が覚えられない人のための「ノートのまとめ方」のコツ
歴史の学習で「ノートにまとめる」ことは欠かせません。
歴史は前後の流れが存在するので、単語カードのように単体で覚えるわけにはいかないからです。
出来事のつながりを意識しながらノートにまとめていくことで、頭の中に流れが定着していくのです。
キツネさん
ノートはスペースは多めにとる
暗記が苦手な人のノートには共通点があります。それはギチギチに詰めて書いていることです。
一方で覚えることが得意な人はスペースを多めにとります。メモや補足情報を後から書き込めるからですね。
先に述べたように語呂合わせや覚えやすいイメージが浮かんだとしても、スペースが無いと書き込むことができません。
見返してもわかりにくいノートになってしまうわけです。
ノートの余白は思考の余白です。
一冊100円もしないノートですから、たくさん使って怒る親はいません。
びっしり書いて覚えたつもりになるより、スペースを多くとって記憶に残りやすいノートをまとめましょう。
まとめノートはこだわりすぎない
数年前、テレビ番組で芸人さんが記憶力対決をしていました。
ロザン宇治原さんとパンサー尾形さんの2人が、歴史の授業を受けた後にテストで勝負するというものです。
板書を丁寧にノートに写す尾形さん。先生が書いた通りに書き込みをして、カラフルなノートにまとめていました。
しかし結果はロザン宇治原さんの圧勝でした。
なんと宇治原さんはノートをほぼとらず、メモを数行しか書いていませんでした。
その理由は「ノートをまとめるより、先生の話を理解しながら聞く方が大切だから」というもの。
このエピソードからわかることは「ノートは手段であって目的ではない」ということです。
キツネさん
5W1H、流れを意識してまとめる
ノートの美しさはこだわる必要がありませんが、5W1Hはこだわるべきです。
たとえ世界史で「カノッサの屈辱」という単語を覚えていても受験では役立ちません。
どのような背景で、誰が何のために何をしたのか…これを意識することで歴史の流れが頭にインプットされます。
- When…1077年
- Where…カノッサ城門(イタリア)
- Who…教皇グレゴリウス7世とハインリヒ4世
- Why…破門を解除してほしくて
- What…ごめんなさいを言い続ける
- How…雪の中、裸足で
このようにまとめておけば、試験直前でもスムーズに確認できるというメリットがあります。
教科書を読まなくても、5秒でポイントをおさえることができます。
歴史が覚えられない人の味方「語呂合わせ」のコツ
語呂合わせのメリットは手軽なことです。
昔から定番とされている語呂を使うこともできますし、自分でアレンジすることも可能です。
これから説明するコツを頭に入れて、さらに覚えやすくしていきましょう。
突拍子もないエピソードを頭の中で映像化
語呂合わせで覚えるなら、突拍子もないエピソードを作ることをおすすめします。
思いついた自分がバカらしく感じるほど、ありえない映像を作るのです。意外であればあるほど記憶にも残りやすいです。
先ほどの「カノッサの屈辱」を例にしてみましょう。
筆者の脳内ではグレゴリウス7世は「グレたゴリラ」として記憶されています。
ハインリヒ4世は「パイン(パイナップル)好きな人」。
できあがったエピソードは以下です。
グレたゴリラは「もう7回目だぞ…いい加減にしろよ」と、呆れ気味。
…何ともくだらないイメージ映像ですが、筆者の頭の中にはしっかりと残っています。
キツネさん
僕の頭にも不本意ながら刷り込まれてしまいそう…怖いです。
関連記事:効率よく覚えるのにイメージ記憶が大切な理由|コツやトレーニング方法を紹介
人名を覚えるコツは「顔とセットで」
映像化とともに意識したいのは「顔」です。
筆者が印象的だったのは関ヶ原の戦いで西軍を裏切った「小早川秀秋」ですね。
こんな顔です。
参照:wikipedia
ご本人には申し訳ないのですが、すごく自信が無さそうに見えませんか……?
この顔と「裏切るか迷っていたら、家康軍から鉄砲で撃たれた」というエピソードが妙にマッチして忘れられないんですよね。
顔を見ながらまとめることで、人物像を想像しながらインプットできます。
年号を覚えるコツは「2桁ずつ」
年号は2桁ずつイメージに変換して覚えましょう。
日本語は2音で構成される単語が多くあり、語呂合わせを作りやすいのです。
そして単語をつなげて映像化しましょう。
この場合、「シミのある菜っぱを肉と炒めて食べる」シーンを思い浮かべることができます。
中学/高校/大学受験生へ!歴史の覚え方の裏ワザ
冒頭でもお伝えしましたが、筆者は10年以上、中学生・高校生の受験指導をしてきました。
その中で得た「成功しやすい覚え方」をお伝えします。
- アウトプットして覚える
- タイミングよく復習して覚える
この2つの方法を使えば、非効率な学習と「さようなら」できます。
暗記カードやひたすらノートに書き殴る学習は、二度としなくてよくなります。
友達同士で分担して勉強し、教え合う(アウトプットして覚える)
学校で一番歴史を覚えている人は誰でしょうか……それは…先生です。
なぜなら、何度も説明して教えているからです。
筆者も古文の「助動詞の活用」を全て覚えたのは、受験指導を始めてからです。
歴史を覚えたいなら歴史を人に語るのが一番です。ぜひ友達と「歴史を語る会」を作りましょう。
例えばそれぞれ人物や出来事を分担し、勉強してプレゼンし合うのがおすすめです。
- 説明するためには調べる必要がある
- 調べることで知識をインプットできる
- わかりやすい説明を考えることで、アウトプットにつながる
- 結果、知識が定着する
「復習のベストタイミング」をアプリで管理
効率よく復習をするならタイミングを合わせる必要があります。ここではエビングハウスの忘却曲線を利用します。
- 人は復習しないと確実に忘れる
- 完璧に覚えても、一ヶ月後に再び覚え直すには、最初の80%もの時間がまたかかる
- しかし思い出す回数を増やせば復習の時間は短く済み、長期記憶にも定着する
自分でタイミングを管理するのは煩雑なので、スマホアプリを頼りましょう。
たとえば「reminDO」はベストなタイミングであなたに復習を促してくれます。
無料ですし、スマホでサッと確認すれば数秒で復習が完了します。
関連記事:エビングハウスの忘却曲線|よくある間違いや勉強での生かし方を紹介
覚え方を覚える
記憶力が高い人は、次のどちらかのパターンに当てはまります。
- 記憶の定着率が高い人
- 自分に合う覚え方がわかっている人
1は才能と言えるかもしれません。持って生まれた能力と言えますね。
しかし2は誰でもなれます。
歴史が覚えられないのは「あなたにピッタリの覚え方」がわかっていないだけかもしれません。
まずはこの記事で解説してきた方法を試してみませんか。そして今ひとつピンとこなかったら、覚え方(記憶術)を覚えるのも良いでしょう。
他教科のおすすめの学習サイト
受験では歴史以外の教科も学ばなくてはいけません。
ここでは他教科を学習する際に、参考になるサイトを紹介させていただきます。
中学理科|【さわにい】の理科サイト
中学理科の学習範囲を学年別・科目別にわかりやすくまとめているサイトです。
暗記系の内容ではオリジナルの「覚え方」も公開されています。
運営者の「さわにい」さんは中学理科教育の専門家で、実際に理科の先生として、10年間、学校で教えられていた経験もあります。
YouTubeでも積極的に活動されています。
さわにい【中高生学習チャンネル】 YouTubeチャンネル >
まとめ
歴史を覚えることは、才能ではなく「テクニック」です。
間違った覚え方をしていたら、どれだけ時間をかけても試験までに忘れてしまいます。
この記事でお伝えしたテクニックは次の通り。
- 単なる暗記にせず、語呂合わせとストーリーで覚える
- 余白のあるノートで覚える
- 人名は顔を見ながら覚える
- 年号は2桁ずつ区切って覚える
- アウトプットする機会を作って覚える
- 復習タイミングを合わせて覚える
どれも今日から使える方法ばかりです。
歴史を覚えようとするとき、まずは1つ試してみてください。
工夫せず覚えるよりも、はるかに頭に残るはずです。
記憶術を取り入れてみるのもおすすめ
どうしても記憶力が上がらない...という人には、記憶術を試してみるのもおすすめです。
「記憶術」と聞くと少し怪しいイメージや、小手先のテクニックのイメージを持つ方もいるかも知れません。
しかし、人間が何かを記憶する際には決まった法則があり、その法則を1つずつ紐解いて、最適化された方法が記憶術です。
つまり、怪しい妖術ではなく、科学的に裏打ちされた記憶力をアップさせる方法が「記憶術」なのです。
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キツネさん
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