規則正しい睡眠は一日の身体と脳の疲れを取り、記憶力の向上に大きく影響します。
最近では、自宅でネット環境が整っている家庭も多く、夜遅くまでスマホで動画を観ることができるようになっていますが、必要以上に見続けて睡眠不足になると記憶力の低下に繋がります。
本記事では、記憶力と睡眠の関係について、睡眠不足の弊害、睡眠の種類、良い睡眠のための習慣などを解説します。
もくじ
記憶力と睡眠の関係
睡眠が足りなくなると脳の海馬が縮小して記憶力の低下に影響します。
脳の海馬には新しい情報を記憶する役割があり、海馬に整理された記憶は大脳皮質に保管されます。
しかし寝不足が続くと海馬は正常に働かなくなるため、学習能力が落ちたり、日常生活で忘れ物が多くなったり、仕事の効率が上がらない等、記憶力の働きに大きく影響します。
したがって、記憶力を高めるためには、質の良い睡りと睡眠のリズムを整えることが大切です。
質の良い睡りとは、レム睡眠とノンレム睡眠の割合が規則正しく繰り返されることです。
睡眠で定着が促進される記憶の種類
記憶には、長期記憶と短期記憶があり、それぞれの役割が異なります。
種類 | 長期記憶 | 短期記憶 |
特徴 | 時間が経っても残る記憶 | 瞬間的に保持される記憶 |
持続時間 | 数日~数十年、~無限 | 10秒~15秒、長くても1分程度 |
「長期記憶」は、子どもの頃に体験した出来事を大人になっても覚えていることや、サッカーの練習やピアノの弾き方を身体で覚えていること等です。
知識や体験をもとに覚えている記憶と身体で覚える記憶の2種類があります。
「短期記憶」は、パスワードを聞いてスマホに登録すること、同時通訳で短い時間に言葉を覚えて変換すること等です。
睡眠で定着しやすいのは、「長期記憶」の身体で覚える記憶です。
スポーツや楽器演奏などは、繰り返し練習をすることと十分な睡眠を重ねることで、記憶を定着させる効果があります。
関連記事:長期記憶のしくみを分かりやすく解説!超効率で忘れない脳を作る方法
睡眠不足がもたらす弊害
睡眠不足が続くと、寝つきが悪くなったり夜中に何度も目が覚めたりして不眠症のリスクが高くなります。
不眠症では、認知機能が鈍くなるため、集中力や判断力などが衰えて意欲が無くなり、食欲も低下し日常生活にさまざまな支障を引き起こします。
不眠症 は国民病とも言われ、一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を起こしています。
原因は、ストレス、精神疾患、神経疾患、アルコール、薬剤の副作用など、生活習慣の乱れや心の病から起こるケースが多いです。
不眠症にはそれぞれ原因があり、対処法も個人差があります。
寝不足による弊害を無くすためには、原因を見つけて今までの習慣を改善することが必要です。
記憶を定着させるうえでの理想的な睡眠時間
記憶を定着させるには、睡眠の質を整えることが大切です。
睡眠時間の長さは特にこだわらなくて大丈夫です。
ショートスリーパーの方もいれば、ロングスリーパーの方もいます。
いずれも、熟睡できて健康的な生活が持続できれば、問題がないということです。
日本人の平均的な睡眠時間は7時間半程度です。これに合わせて睡眠時間を長くしたり短くしたりする必要もありません。
必要なことは、体内時計に合わせて規則正しい睡眠習慣を定着させることです。
平日でも週末でも同じ時刻に起床・就床することが大事です。
日曜日だからゆっくり寝ているという方は、睡眠のリズムを崩しやすくなります。
もし、寝不足を感じた場合は、昼寝をすると疲れた脳を休ませることができます。
関連記事:記憶とは?記憶を定着させる方法も解説
睡眠の種類
睡眠のリズムを整えるためには、睡眠の種類「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」について理解しておきましょう。
種類 | ノンレム睡眠 | レム睡眠 |
眠りの深さ | 深い | 浅い |
脳の休息 | 休んでいる | 活動している |
身体 | 活動している | 休んでいる |
目覚め | 悪い | 良い |
夢 | 記憶にない | 記憶している |
記憶 | 定着する | 整理する |
睡眠中は、ノンレム睡眠とレム睡眠が交互に現れる状態が数回繰り返されます。
最初に深く眠りに入ってから平均90分の睡眠サイクル(ノンレム睡眠〜レム睡眠)を繰り返します。
睡眠サイクルが正しく機能していると、質の良い眠りが維持できて記憶を定着させることが可能です。
ノンレム睡眠
脳が休息した状態ですが、身体は活動しているため、睡眠中に寝返りもできます。
眠りの深さによってさらにステージ1〜4(浅い〜深い)の4段階に分かれます。
深いノンレム睡眠では、いやな記憶を消去する働きがあり、浅いノンレム睡眠では、体で覚えた記憶を定着させる働きがあります。
一晩に(浅い〜深い)の睡眠サイクルを4〜5回繰り返します。
レム睡眠
身体が休息した状態です。
脳は活動しているため、睡眠中に脳内にある記憶を整理しています。
レム睡眠時に朝目覚めるとスッキリ脳が働き、目覚めに夢を見ていた場合は覚えていることが多くなります。
良質な睡眠をサポートする栄養・成分
質の良い睡眠を維持するには、栄養バランスの良い食事が大切です。
良い眠りに効果的な栄養素について確認しておきましょう。
グリシン
神経ネットワークの情報の働きに役立つアミノ酸のひとつです。
睡眠に関わる「深部体温」を低下させて睡眠の質を上げる効果があります。
深い睡眠をもたらし、体内リズムを整えて疲労回復と昼間の活動を効率化できる働きがあります。
※グリシンを含む食べもの
- ゼラチン、えび、大豆製品、うなぎ、鶏肉、落花生など
トリプトファン
たんぱく質に含まれるアミノ酸のひとつで、睡眠を促すメラトニンの生成に役立つ栄養素です。
精神を安定させ良い眠りをもたらすセロトニンの材料として、ホルモン分泌のリズムを整えます。
※トリプトファンを含む食べもの
- 大豆製品、乳製品、ごま、ピーナッツ、卵、バナナなど
GABA
脳の興奮を鎮める働きがあるアミノ酸のひとつです。
ストレスを軽減する機能や血圧低下に効果があり、睡眠の質を高めます。
GABA成分と糖質を一緒に摂取すると相乗効果があります。
※GABAを含む食べもの
- お茶、キムチ、トマト、米、じゃがいも、かぼちゃ、大豆、発芽玄米など
睡眠の質を高める習慣・コツ
睡眠の質を高める習慣・コツについて、以下のポイントを抑えておきましょう。
- 早起きを習慣づけて、朝日を浴びる
- 朝食は、トリプトファンを多く含む食品が良い
- 夕食は早めに摂ると良い。低カロリーの食事が理想的
- 平日も休日も、就床時間と起床時間を一定にする
- 夜型のライフスタイルを改善する
- 寝る3時間前には入浴し、体温が下がってから寝る
- 夜はオレンジ色の光に変えられるLED照明機器が良い
- 就寝前は、コーヒー、ココアやチョコレートなどカフェインは控える
睡眠に悪影響を与える行動
ブルーライトは、脳と目に影響し、寝つきが悪くなるので注意しましょう。
ブルーライトは、散乱する性質をもっているため、自立神経の働きに影響します。
パソコンやスマホの画面は、なるべく遅くまで観ないように気をつけましょう。
また、飲酒は、眠くなりやすい一方、夜中に目が覚めて眠れなくなります。
また、日中に眠くなったり、夜に不眠症状を引き起こしやすくなります。寝酒の習慣がある方は、要注意です。
記憶力向上のために良い睡眠を心がけましょう
記憶力を高めるためや物忘れ防止に、質の良い睡眠を習慣づけましょう。
寝不足や不規則な睡眠のサイクルが続くと、脳の働きを老化させてしまいます。
また、質の良い眠りには、運動・食事などの生活習慣を改善することも大事です。
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