キツネさん
仕事や勉強で少し疲れた時、ホッと一息つけるのが飲み物です。
ただ、特に何も考えずに「なんとなくコーヒー」という人や、「とりあえず緑茶でいいや」なんて決め方をしてる人も多いのではないでしょうか。
実はここで選ぶ飲み物によっては、集中力を改善し、仕事や勉強のパフォーマンスを劇的に上げてくれることも期待できます。
この記事では集中力を上げるためになぜ飲むことが重要なのか、そして集中力を上げるのに効果がある飲み物を具体的にお伝えしていきます。
もくじ
飲み物以前に「飲むこと」が集中力アップにつながる理由
「何を飲むか」も大切ですが、そもそも仕事中に休憩時間をとって「何かを飲む行為」そのものが大切です。
特にオフィスワーカーは座り仕事が多くなります。厚生労働省も作業1時間以内に10~15分の休憩をはさむことを指導しています。
参照:VDT作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて|厚生労働省
10分休憩なら飲み物を準備するにはちょうど良い時間です。
そして、飲み物休憩は、次に挙げるようなメリットがあります。
水分を摂取できる
私たちが仕事や勉強をするとき、水分不足の状態では本来のパフォーマンスが発揮できません。
スイスの学術出版社『Frontiers Media』が発行した記事によると、知的作業を行う前に約500mlの水を飲んだ人は、飲まなかった人に比べ反応時間が14%早くなっていました。
つまり今から集中するぞ、という時は水を飲んでから作業を開始したほうが効率が上がるのです。
500mlの水を飲めば脳の反応が14%スピードアップ
また、水分を適切に摂取することでいわゆる「エコノミークラス症候群」を予防できます。
東京大学の武藤氏の研究によると、1時間あたり80~120mlの水分摂取が必要と述べられています。
参照:健康を支える水
海外旅行に行くわけではありませんが、1時間作業をしたらコップ1杯の水を飲んで休憩しましょう。
キツネさん
エネルギーや有効成分を補給できる
人の脳は体重の2%ほどの重さですが、エネルギー消費量は体全体の30%ほどを占めています。つまり脳は食いしん坊なのです。
そんな脳は、糖の最終分解産物である「ブドウ糖」をエネルギー源としています。
ウエールズのSwansea大学教授のDavid Benton氏の研究によって、ブドウ糖を摂取した人のほうが、摂取しなかった人に比べて記憶力・文章の理解と読解力が向上することがわかっています。
ついカロリーが気になって糖分を避けてしまいがちですが、甘い飲み物にも良い面があるということです。
ちなみに糖分をエネルギーに変えるには、ビタミンB群が必要となり、海苔や肉・魚類などに多く含まれています。
- 脳はブドウ糖をエネルギー源にしている
- ビタミンB群を摂ることでブドウ糖が作られる
- 海苔、鶏肉、豚肉、魚類、ゴマなどにビタミンB群が多く含まれている
自分へのご褒美になる
仕事や勉強をすることは、必ずしも楽しくてワクワクするものばかりではありません。
でも、これが終わったらおいしい飲み物が待っている。
そういう状態になったら、少しモチベーションがアップしませんか。
つまりご褒美として飲み物を用意しておくわけです。
そうすることで、最後のもうひと頑張りができそうです。
集中力を上げる飲み物
集中力を上げる飲み物とは、具体的にどんなものがあるのでしょうか。
ここでは定番からちょっと意外なものまで、7種類の飲み物について解説します。
それぞれのメリットをふまえて、あなたにとってモチベーションが上がる飲み物を選んでみてください。
緑茶・紅茶|L-テアニンがストレスを低減
日本人なら「ホッと一息」と言えばまず思いつくのが温かいお茶です。
実はこの「ホッとする」作用は気のせいではなく、科学的にも証明されています。
太陽化学株式会社の行った実験によって、「L-テアニン」という成分がリラックス効果をもたらしてくれることがわかっています。
実験によれば、L-テアニンを摂取してから40分後にリラックス状態であるα波が出現しています。
その数値は、水のみを摂取したグループと比較して平均で1.2倍であり、グループによっては2倍以上になりました。
コーヒー|勉強・仕事の王道。試験前は必須
もう一つの定番がコーヒーですね。コーヒーに含まれる「カフェイン」が集中力を高めてくれることはすでに周知の事実です。
カフェインは摂取してから約30分で脳に到達します。
仕事や勉強を始める30分ほど前にコーヒーを飲んでおけば、覚醒作用によって仕事の集中力が高まります。
注意点としては、過剰に摂りすぎないということです。
例えばカナダ保健省が2010年に出した注意喚起では「健康な成人の場合、1日マグカップ3杯まで」と言われています。
不眠症や頭痛、イライラ感を引き起こす恐れがあるので、過剰摂取に注意しましょう。
- 過剰摂取は不眠症・頭痛などをもたらす。
- 健康な成人で1日マグカップ2〜3杯まで。
ココア|テオブロミンで血流を促進
コーヒーのカフェインは有名ですが、ココアの「テオブロミン」はあまり知られていません。
テオブロミンには血流を促進させ、体温を上げる効果があります。
滋賀県立大学の灘本知憲氏指導のもと行われた研究では、18~24歳の女子学生にココア・同じ成分の飲料・水の3種類の飲料を飲んでもらい、体温の変化を調べています。
その結果、ココアを飲んだ女性には手首、足首、足指先に体温上昇傾向が見られました。
冬場の足先の冷えは本当に辛いものです。ココアを飲むことで、デスクワークで冷えた指先を温めることができます。
キツネさん
炭酸水|適度な刺激&糖分対策に
甘い飲み物は苦手で…という人には炭酸水がおすすめです。
炭酸水とはいわゆるジュースではないので、糖分が入っていません。
そのため糖分を摂り過ぎてしまう心配がありません。
また、会社の雰囲気によっては「仕事中に炭酸ジュースかよ…」といった目で見られるかもしれません。
しかし色のついたジュースではなく無味無色の炭酸水なら、炭酸の刺激で気分をリフレッシュしつつ、糖分量や周りからの目の心配も不要です。
まとめ買いをすればコストも低く抑えられるのでおすすめです。
クエン酸飲料|疲労回復+エネルギー補給に
クエン酸飲料は疲れた体にとても良い効果をもたらしてくれます。
クエン酸には疲労回復機能があり、柑橘系フルーツに含まれています。
例えばオレンジジュースなどは手軽に購入できますし、果糖も含まれているのでエネルギー補給にもうってつけですね。
注意点として、甘いジュースには過剰な糖分が含まれていることが多くあります。
最近では「無糖 キレートレモン」(ポッカサッポロ)など、無糖のクエン酸飲料も発売されていますので、適切に選んで飲むと良いでしょう。
- ジュースによっては糖分が多く入っている可能性あり
- 気になる場合は無糖のクエン酸飲料を選ぶ
栄養ドリンク|効率的にエネルギーを補給
仕事中にゆっくりする時間が取れない場合は、栄養ドリンクを飲んでみてはいかがでしょうか。
リポビタンD(大正製薬)などが有名ですね。
このような栄養ドリンクには「タウリン」と呼ばれるアミノ酸の一種が多く含まれています。
人がタウリンを摂取することで筋肉へのダメージを抑制する効果が認められています。
また、カフェインも含まれることが多いので覚醒作用も期待できます。
デスクワークだけでなく、外回りの多い営業職や力仕事が多い場合は、栄養ドリンクを飲むことで短時間で効率的にエネルギー補給することができます。
キツネさん
味噌汁|小腹が空いたときにも
意外にも味噌汁は休憩時の飲み物としておすすめです。
特に空腹で集中できないというときはお腹が満たされますし、発酵食品なので整腸作用もあります。
しっかり食事をとったら眠くなってしまい集中力が下がった、という経験は誰しも一度はありますよね。
パフォーマンスを下げずに仕事や勉強を続けるには、小腹を満たしてくれる味噌汁はちょうど良い飲み物になるでしょう。
- 飲み過ぎると高血圧などのリスクが伴う
- 塩分摂取が気になる人は、減塩味噌汁を選ぶ
効果が倍?飲み物といっしょに食べたい集中力を高める食べ物
飲み物と一緒につまむ食べ物も大切な存在です。
何も考えずにお菓子を選ぶのではなく、せっかくなら効果的な食べ物を選びたいですよね。
ここでは、飲み物と一緒に集中力を高めてくれる「おつまみ」についても紹介しておきます。
チョコレート
チョコレートはあなたの集中力アップをアシストしてくれます。それにはポリフェノールという成分が関係しています。
このポリフェノールにはストレスを緩和させる作用があります。
ただ、食べ過ぎには注意したいところです。ダークチョコレートで1日25グラムが摂取目安となっています。
また、上記の参照記事では、ポリフェノールの詳しい解説についても記載されています。
くるみ
くるみなどナッツ類も集中力を高めたいときにおすすめです。
ナッツ類を「噛む」ことで脳の記憶を司る海馬という部位が刺激されます。これにより記憶力の向上や、眠気を取り払う効果が期待できます。
またくるみに多く含まれるオメガ3脂肪酸には神経伝達と新しい神経細胞の増殖を促進する効果があるとのことです。
キツネさん
ラムネ
駄菓子として食べたことがある方も多い「ラムネ」ですが、実はブドウ糖を原料として作られています。
ブドウ糖が脳のエネルギー源であることは先にもお伝えしました。
もちろん他にもブドウ糖を原料としたお菓子は多くあります。しかし、ラムネの良さはその圧倒的な手軽さです。
パッと出してすぐに口に入れてもかかる時間は1秒ほど。仕事中に口をモグモグ動かすのはちょっと…という方はラムネが良いのではないでしょうか。
コンビニで買える「エナジードリンク」って効果はある?
最近は「エナジードリンク」と呼ばれる商品も増えてきました。
「栄養ドリンク」と「エナジードリンク」どちらのほうが効果的か気になりますよね。そして、何が違うのでしょうか。
これ、結論を先にお伝えするとエナジードリンクは「清涼飲料水」なのに対し、栄養ドリンクは「医薬品または医薬部外品」に分類されています。
つまり栄養ドリンクは、成分の配合量を明示する義務があるかわりに効果を表記することができます。
- 栄養ドリンク:「医薬品または医薬部外品」なので効果を記載できる
- エナジードリンク:「清涼飲料水」なので効果は明記できない
エナジードリンクとして発売すると「○○に効果あり!」とは書けないということです。
また炭酸飲料には糖分が多量に含まれているので注意が必要です。
摂り過ぎると血糖値の上昇により眠くなる可能性が高まってしまいます。
集中力を高めようと飲んだ結果、眠くなってしまっては本末転倒です。
キツネさん
集中力アップに効果的な飲み方
飲み物で集中力を高めるなら、どんなふうに飲めば良いのでしょうか。
その最大のポイントは「温度」と「分量」です。
「一度に大量に冷たいものを飲む」というのは、最もダメな飲み方です。
まず意識したいのは、冷たい飲み物を避けることです。
一度に飲み過ぎることでお腹が冷えてしまい、体調が悪くなってしまったら集中どころではなくなります。
さらに胃腸が一度冷えてしまうと、温めるために再度エネルギーが必要になります。
キツネさん
また、一度に飲み干すのではなく、こまめに分けて飲むことも注意すべきポイントです。
例えばコーヒーを一気に飲んでしまうと覚醒作用が強すぎて、突然気分が悪くなることもあり得ます。
時間帯についても、寝る直前にカフェインを摂取してしまうと眠れなくなり、次の日の仕事に支障が出るかもしれません。
集中力アップを狙うならば、冷たいものを避け、適量をゆっくり飲むことが大切です。
まとめ
ここまで「集中力アップに効果的な飲み物」についてお話ししてきました。最後にもう一度ポイントをまとめておきますね。
- 集中力を高めるためには飲み物をしっかり選ぶことが大切
- 集中+ストレス軽減なら「緑茶・紅茶」
- 集中+スッキリしたいなら「コーヒ・炭酸水」
- 集中+温まりたいなら「ココア」
- 集中+短時間なら「栄養ドリンク」
- お腹がすいたら「味噌汁」
- 一緒に食べるなら「チョコレート」「くるみ」「ラムネ」
生活において、何を食べるかと同様に「何を飲むか」も大切な選択になります。
ちょっと意識して適切な飲み物を選べば、あなたの生活の質を高めることができるでしょう。
是非今回の記事を参考にして、仕事や勉強の効率を上げていきましょう。
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