キツネさん
資格や試験の勉強がつらい…。暗記ノートを作って学習効率を上げたいけれど、どんな作り方をすればいいのかな…?
勉強するときにノートをとる人は多いはずです。
でも「ノートのとり方」をしっかり教えてもらった経験はほぼありませんよね。
せいぜい「きれいに書きなさい」くらいではないでしょうか。
筆者は10年以上にわたって中学生・高校生に学習指導をしてきました。そんな中で「この暗記ノートは使いやすそう!」と感じた作り方を紹介します。
本記事を最後まで読んでいただければ、次のような未来が待っています。
- 書き写すだけのまとめノートから卒業できる
- 試験前の「どこを見返せばいいかわからない」がなくなる
ぜひ一緒に見ていきましょう。
もくじ
暗記ノートの種類
暗記ノートは大きく分けて次の2種類があります。
- まとめ型暗記ノート
教科書や授業の内容をまとめる形式のノート - 問題集型暗記ノート
問題と解答、解説をまとめたノート
暗記ノートの作り方を調べると、大抵この2パターンにたどり着きます。
どちらもメリットはあるのですが、デメリットも存在します。
そこで今回は両方のメリットをふまえた「ハイブリット型暗記ノート」の作り方を紹介していきます。
ただ、型式だけ真似をしても本質がズレてしまうのは✕です。
まずは2パターンのポイントを理解していきましょう。
まとめ型暗記ノート
重要ポイントを自分の言葉でまとめるのが「まとめ型暗記ノート」です。
英語の文法説明や、歴史の語句まとめなどで使われることが多いタイプです。
コツはあなたが先生だったら、生徒にどう教えるか台本を作るイメージでまとめることです。
- 授業やテキストのポイントをつかむ
- 重要語句や記述を赤ペンで書き出す
- 先生になったつもりで解説を書く
- 図解やイラストで補足
- ノートにまとめる
先生になったつもりでまとめると、アウトプットを前提としたインプットが行えるので記憶に残りやすくなります。
- 予想される質問は?
- どんな順序で解説すると良い?
- 重要語句や概念はどれ?
- かみ砕いて説明するなら?
こういった疑問に答えながらまとめると、内容同士がつながりをもち、記憶に残りやすくなります。
これがまとめ型ノートのメリットですね。
キツネさん
理屈はわかりました。でも、先生の解説をすぐに自分の言葉にするなんて難しくないですか?
自分なりに噛み砕けない場合は質問に行こう
自分の言葉で解説ができないということは、理解ができていないということです。
この対処法は、いたってシンプル。
先生にもう一度説明してもらうことです。
授業後に先生をつかまえて「もう一度ここ説明してもらえませんか?」と粘るのです。
キツネさん
先生の解説が理解できるまで食らいつくわけですね。
そして、理解できたらノートにまとめる、と。
問題集型暗記ノート
一方で自分が間違えた問題だけを集めたのが「問題集型暗記ノート」です。
コツはつまずいたポイントを解説に書き込むことです。
- 問題スペースに問題を写す
- 解説を聞く・読む
- つまずいた原因を言語化する
- 解説をもとに模範解答を再現する
- つまずきポイントを青ペンで書き加える
ただ解説を書きうつしてはいけません。それは学習ではなく作業です。
作業になると同じミスを繰り返してしまいます。
同じミスしないために、つまずきポイントを言語化して記憶に残しましょう。
ちなみに目立つために青で書くので、緑や黄色でもかまいません。
ただし、赤は避けましょう(赤シートで消えるからです。詳しくは後述します)。
ハイブリット型暗記ノート
上記2パターンをどちらも取り入れて作るのが「ハイブリット型暗記ノート」です。
しかもこれを授業中やテキストを読みながら行います。
つまり、インプットとアウトプットを同時並行でやってしまおうという欲張りなノートです。
次の手順で作っていきます。
- 重要語句がでたら解説をよく聞く・読む
- 自分ならどう説明するかを考える(先生の真似でもO.K)
- 重要語句を赤で書き、説明を書く
- つまづきそうなポイントを青ペンで書き込む
- その重要語句が答えになる問題を考えてみる
これでインプット(解説を聞く)しつつアウトプット(説明を書く)し、さらに復習の準備(問題を考える)もできます。
実際僕が見てきた暗記が得意な生徒は、このタイプのノートを作っていました。
暗記ノートの作り方は3ステップ
どんなノートを作っていくか理解していただけたでしょうか。
・まとめ型暗記ノート
・問題集型暗記ノート
この2つのタイプを合体させたハイブリット型暗記ノートを作っていきましょう。
具体的な作り方は、次の3ステップです。
- ノートを3スペースに区切る
- まとめスペースに解説を自分の言葉で書く(単語暗記)
- 問題スペースに間違えた問題だけ書く(復習準備)
詳しく説明しますね。
暗記ノートの作り方1:1ページ3スペース
最初にすべきことは、ノートを3つのスペースに区切ることです。
すぐに誰でもできます。
コツは、太めのペンで線を引くことです。
区切りの線は思考の区切りでもあります。
字と同じよりも少し目立つ太さにしておくことで、書くスペースを移動するごとに思考を切り替えることができます。
暗記ノートの作り方2:まとめスペースで単語暗記
1番大きなスペースは、まとめ型暗記ノートとして使います。
作り方のコツを再度お伝えしておきますね。
- もし友達に伝えるなら、どう解説する?
- どんな順番で解説する?
- 必要な図、表はある?
- どの語句が重要?
こういったことを考えながら、インプットした情報をまとめていきましょう。
ちなみに筆者が生徒に指導する際は、以下のコツを伝えています。
コツ①:重要箇所は赤ペンのみ
重要箇所を赤ペンで書くと、赤シートで隠せるからです。
まとめた部分が穴埋め問題と化すので、インプットしつつアウトプットの準備になるんですね。
単語レベルの暗記ならば、わざわざ問題を作らなくても「赤ペンで消えるノート」にしておけばO.Kですね。
キツネさん
間違えたとき✓を書き入ていけば、重要度もひと目でわかるようになりますね。
コツ②:黒板は写さない
これは作業になる上に勉強した気になるからです。
かつて夏休みを丸々つぶして、歴史の教科書本文を丸々書き写した生徒がいました。
彼にとっては課題研究の作品のつもりだったようですが、正直非効率すぎて驚きました…。
当然ですが、点数は全く上がりませんでした。
キツネさん
「『自分が解説するなら』という視点でまとめる」ことの重要さがわかる良い例ですね……。
コツ③:メモは青ペンで書く
文字を黒ではなく青で書くと集中力が上がると言われています。
長岡技術科学大学教授の野村収作氏によると、青色を見ることでストレスを感じた際に増加するコルチゾールというホルモンの分泌が抑制されたそうです。
また、もし違和感を感じないのであれば、青色で文字を書き、ポイント書き込みなどを黒にしてみても良いかと思います。
ちなみに筆者も、ノートやメモは青色の万年筆でとるようにしています。
関連記事:「青」が万能!仕事や勉強で集中力を高める色を5つ紹介
キツネさん
ドラゴン桜を監修した木村美紀氏(東大卒)も、青ペンをオススメしてましたね。
暗記ノートの作り方3:問題スペースで復習準備
左側は、問題集型暗記ノートのスペース(問題スペース)として使います。
このスペースの使い方を復習しておきます。
- 問題スペースに問題を写す
- 解答の解説を読む
- つまずいた原因を言語化する
- 模範解答をまとめスペースに再現する
- つまずきポイントを書き加える
この中でも「つまずきポイントを書き加える」ことが特に重要です。
もう一度解いたときにつまずきポイントを意識して解答できれば、その解き方が身についたと言えるでしょう。
問題スペースの書き方のコツは以下のとおり。
コツ①:記述が必要な問題に絞る
単語レベルの問題であれば、先述の「消えるノート」にすればO.Kだからです。
なるべく効率よく暗記ノートを作っていきましょう。
コツ②:つまずきポイントを書き加える
つまずきポイントとは、次のようなことを指します。
- 間違えたときの考え方
- 正解するために必要な考え方
- その考え方をどうやって導けばよいか
例えば現代文の記述問題で間違えた場合、次のような内容を書き加えましょう。
- キーワードは本文中のどこにあるか?
- どうすればこのキーワードにたどり着けたか?
- キーワードを定義している記述はどこにあるか?
必要なポイントは人によって違います。
重要なのは模範解答にたどり着くために必要なあなただけのポイントを書いておくことです。
そうすることで、次回復習するときは「答え」だけでなく「思考の流れ」も一緒に見返すことができます。
暗記ノート作成の注意点
注意点は以下の2つ。
- 時間を使いすぎない(暗記ノート作りを目的にしない)
- わからないことに絞る(わかっていることは書かない)
筆者が実際に指導していて、この2つに当てはまる生徒がけっこう多くいます。
効率良くするためのノートなのに、非効率になっては本末転倒ですよね。
それぞれ説明しますので、陥らないようにしてください。
注意点①:時間を使いすぎない
暗記ノートの作成にこだわってしまい、ノートを実際に活用する時間が無くなっては意味がありません。
よくあるパターンを挙げておきます。
- 字をていねいに書きすぎる
- 色をたくさん使ってカラフルに仕上げる
- イラストや図表にこだわりすぎる
どれも「見返したときに見やすくするため」という気持ちから来るものです。
もちろんそれは悪いことではないのですが、見やすさが目的になってしまわないようにしましょう。
キツネさん
あなたしか見ないノートなので、自分がわかればO.Kなのです。
注意点②:わからないことに絞る
全ての内容を暗記ノートにまとめるのは非効率です。
よく授業の内容を100%もらさずノートに書こうとする生徒がいます。
しかしそれは塗り絵で塗り終わっているところをさらに重ね塗りしているようなものです。
授業を聞いて理解できたなら、ノートに書く必要はありません。
わからないところや間違えたところだけに絞る勇気を持ちましょう。
キツネさん
時間は限られているので、できないところに限定して覚えていくべきですね。
暗記ノートのよくある質問
暗記ノートの作り方について、予想される質問をまとめてみました。
どれもよく聞かれる質問ばかりです。
ぜひ事前に知って失敗を回避しましょう。
理科や社会以外にも使えますか?
この暗記ノートは全教科で使えます。
特にまとめスペースはどの教科でもアウトプットに最適です。
たとえば数学の公式を導くときに「なぜこの公式が作られたのか」を書き加えておくことで、使いどころが理解できます。
問題スペースは、現代文に限っては本文がないと解けないため、作りにくいはずです。
なので、記述問題よりも漢字や読解に必要な語句の問題を作ると良いでしょう。
キツネさん
どの教科にも取り入れることで、書き慣れるのも早くなりそうですね。
暗記ノートはムダなのでは?
暗記ノートがムダになるのは「ノート作りが目的になったとき」です。
暗記ノートが威力を発揮するのは、復習に使ったときですよね。
なので作って満足せず、見返すためのノートという意識を持ちましょう。
キツネさん
授業のノートを見返さずにテストに突入…その失敗、経験あります。
暗記ノートのサイズは?
おすすめはA4サイズです。
20年前は学校でもB5サイズが多かったのですが、現在はA4用紙も普通に使われます。
また、ノートの広さは思考の広がりにつながります。
ただし、鞄に入り切らない!というデメリットも考えられえます。
そういう場合はルーズリーフにしてもいいかもしれませんね。
鞄に余裕があるなら、A4ノートをおすすめします。
暗記ノートを予習に使ってもいい?
予習にはおすすめしません。
重要語句だと思って赤ペンで書いたけれど、実際はそうでもなかったという場合があるからです。
復習したときに効率よく見返すためのノートですので、重要ではないことは極力書きたくはありません。
なるべく授業などインプットの場で使うと良いでしょう。
キツネさん
勉強の基本は、理解→暗記のサイクルですものね。そもそも、予習よりも復習に時間をかけるべきかもしれません。
ノートとルーズリーフどちらがいい?
どちらでもO.Kです。メリットによって使いわけると良いでしょう。
【ノートのメリット】
- 時系列で検索しやすい
- バラバラにならない
- 綴じファイルが不要
後から見直すときに、「いつ書いたか」をもとに探す人はノートのほうがいいですね。
整理が苦手な人もノートがおすすめです。
【ルーズリーフのメリット】
- 項目別で並びかえしやすい
- 必要なページだけ持ち歩ける
- 貸し借りがしやすい
覚えたいところだけ集中して見返したいタイプのあなたはルーズリーフ派です。
正しい方法は、楽しい学びにつながる
見返したときに覚えるべきポイントがすぐにわかって、復習問題もセットになっている。
これが今回紹介した暗記ノートの肝です。
筆者が10年以上指導してきて、ベストだと考えている方法なので、ぜひ一度トライしてみてください。
最後にもう一度、作り方をおさらいしておきましょう。
- ノートは3分割して使う
- まとめスペースには、重要な語句・内容を自分の言葉でまとめる
- 問題スペースには、間違えた問題や重要語句が答えになる問題を考えて書く
→解説はまとめスペースに書く
ただ黒板を写すようなノートから1秒でも早く卒業しましょう。
なぜなら、目標とするテストや入試までの時間は限られているから。
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自分にピッタリな暗記方法を見つけるためにも、ぜひ多くのやり方にチャレンジしてみてください。
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