高齢者になると記憶力や集中力など認知機能が衰えてくるため、何か予防策はないかと悩む方も多いでしょう。
脳の状態は加齢によって衰えるものですが、日常的に脳トレを心がけることで活性化することが可能です。
そこで、本記事では、認知機能の8つの種類と、認知症予防に効果的な脳トレについて解説します。
もくじ
高齢者の認知症予防に脳トレが効果的な理由
加齢による身体機能の低下は、脳トレによって回復するケースもあります。
認知症になる前に、早めの段階で脳トレを日常に取り入れると良いでしょう。ここでは、
高齢者の認知症予防に脳トレが効果的な理由について解説します。
脳が刺激されて活性化する
脳トレの効果は、脳を刺激することでリハビリができることです。
人間の認知機能に関わる脳の前頭前野の部分を刺激して、記憶力や学習能力、感情のコントロールなどのバランスを維持することができるようになります。
加齢による脳の老化は、神経細胞が収縮してだんだん体積が小さくなります。
したがって、脳の老化、つまり認知機能を低下させない方法として脳トレが効果的となります。
コミュニケーション向上に役立つ
高齢になると、若い頃と比べると人と関わる機会が減ってきます。
定年を迎えて家にいることが多くなったり、子育てが終わって保護者同士の交流が減ってきたりすると、コミュニケーションの場がなくなり、一人になる時間も増えてきます。
一人になる時間が増えると、精神的に不安定になる方もいらっしゃいます。
高齢になってもできるだけ活気のある生活を心がけるには、他人との関わりを維持することが大切です。
脳トレの活用方法として、家族が関わって一緒に話をしたりし、介護施設等で利用者と会話をしながら楽しめると良いでしょう。
ストレス発散ができる
高齢になると体力と気力の衰えが顕著になります。
ストレスも抱えやすく、回復しにくい傾向にあります。
ストレスによってさまざまな病気を併発する恐れもあるため、日常的に気晴らしや、発散できることを見つけることが大事です。
脳トレは、楽しみながらできるゲーム感覚の遊びが含まれています。集中して時間を忘れられるような楽しみができると、認知症予防に効果があります。
認知機能の8種類
加齢による認知機能の低下は、個人差があります。
ご自身でどの機能が衰えてきたのか認識できるようにするには、以下の8種類の認知機能について知っておくと良いでしょう。
- ①記憶力
- ②注意力
- 3計算力
- 4見当識
- ⑤遂行能力
- ⑥判断力
- ⑦言語能力
- ⑧社会的行動能力
①記憶力
日常生活の中で覚えた情報を忘れずに記憶しておく能力です。目で見た風景や物、耳で感じる音、他人と話した内容や誰と合ったのか等、記憶力として脳に保管されています。
普段、記憶力が発揮されるのは、文字や数字を覚えるような暗記能力よりも、日常的に一瞬、脳を刺激して記憶する機会の方が多くなっています。
このような日常的な行動の中で記憶することを作業能力といい、常に私たちの脳内で働いています。
また、昔の記憶が何かの拍子で思い出すこともあり、これも記憶力のひとつです。
記憶力の衰えは、脳の「海馬」や「前頭連合野」の機能が低下することで起こります。
記憶力を強化するためには、記憶しようとせずにイメージすることが大切です。
料理の食材を個々に覚える練習をするのではなく、料理をイメージしてから、何が必要なのか食材をイメージするような感じで記憶力を高めて行くと良いでしょう。
関連記事:記憶力を高める記憶術とは?おすすめの行動・習慣もチェック
②注意力
多くの情報の中から必要な情報だけを選ぶ能力です。注意力が高まると集中して行動しやすくなります。
人が話をしていても集中して自分の仕事や勉強に入り込むことができる行動や、カバンの中から手探りで家の鍵を見つける行動などは、注意力が働いています。
一方、注意力が散漫になると、会話を聞かずに違う話になってしまうことや、食事中に周囲を見回す行動、作業や勉強の途中で投げ出す行為等が現れます。
また、高齢になって注意力が衰えると、鍋を火にかけていたことを忘れてしまうなど、着替えの途中に脱いだ服が目に付くともう一度着てしまう等の行動が見られます。
注意力が低下する原因は、ストレス、疲労、睡眠不足、不適切な作業環境、不規則な時間管理などがあげられます。
注意力を高めるには、一度に複数のタスクや時間を詰め込まずに、ゆっくりとした余裕のある環境を整えることが大切です。
③計算力
数字を理解して計算する能力です。認知機能では、時計を見て時間がわかることや、行動に合わせて時間配分できること、予算に合わせて買い物ができること等の能力です。
認知機能が低下すると、簡単な足し算や引き算もできなくなるため、支払う金額やお釣りの計算もわからなくなります。
計算力を司るのは、脳の「前頭葉」という部分で、病気や加齢による脳の老化によって衰えることがあります。
計算力を強化するには、計算のトレーニングを習慣づけると効果的です。買い物もできるだけご自身でできるようにおつりの計算もできるようにしておきましょう。
④見当識
時間や場所、人の判断を司る能力です。
見当識が低下すると、家族の顔を忘れてしまったり、道に迷ってしまったり、真夏に暖房を付けてしまったりなど、状況や人を見当できなくなります。
見当識障害の症状が出てくると、本人には過剰なストレスがかかり、周りの家族や介護する方には、対応が難しくなり接し方に苦労がかかります。
見当識の原因は、脳の障害により脳細胞が壊れるからです。
アルツハイマー型認知症の場合は、初期症状に見当識障害と記憶障害が起こり、徐々に症状が進行していきます。
見当識を防ぐためには、季節や時間を意識できるように、季節にちなんだ食べ物を食べたり、カレンダーに予定を入れて計画したり、同じ時間帯に散歩に出かけるなど、脳を活性化する工夫を心がけましょう。
⑤遂行能力
目的に対して達成する能力です。目的を決めて計画し順序良くこなして最後まで成し遂げる力が必要になります。
仕事、勉強、家事労働、遊び、すべての行動には、遂行能力が発揮されています。
加齢による遂行能力の衰えは、一度に複数の情報が入ってくると順序良く頭の整理ができなくなって、優先順位を考える力が無くなります。
2つ以上の行動を同時にこなすことができなくなるので、複数の献立を同時に考えて作ることが難しくなります。
高齢になると携帯の使い方や新しいシステムに順応しにくくなるのも、遂行能力が関係しています。
遂行能力が衰える原因は、脳の「前頭葉」という部分の働きが弱まっているからです。
遂行能力を鍛えるには、数字パズルやロールプレイングゲームが効果的です。
また、ゆっくり時間をかけてでもいいので、地図や時刻表を出して旅や外出の計画を立てたり、1日の献立を立てて買い物に行って料理をしたり、ひとつのプロセスをこなす練習を心がけると良いでしょう。
⑥判断力
物事を決断・評価する能力です。認知機能では、見当識や注意力が判断力に関わる機能です。
時間や場所、人を見当する能力と集中や注意力によって、判断力が働きます。
判断力が低下すると、社会的なルールについても認識できなくなってしまいます。
スーパーの商品を外に持ち出してしまったり、交通違反を犯してしまったり、社会性の欠如が起きてしまいます。
判断力が低下する原因は、脳の「前頭葉」という部分が、脳の老化や病気によって機能しなくなるからです。
判断力を強化するためには、散歩が効果的です。またカレンダーに予定を立てて行動する習慣を付けると良いでしょう。
また、複数のタスクを同時にできるようにするためには、「ながら作業」もおすすめです。
⑦言語能力
コミュニケーションに必要な言語や文字を理解して、他人に伝える能力です。
自分の意志を他人に伝えるツールとして言語能力は、日常生活に必要な機能です。
言語能力が衰えると、話したり、話を理解したり、文字を書いて理解することが難しくなります。
言語能力が衰える原因は、大脳の「言語中枢」という部分が損傷するからです。
言語能力を強化するには、言葉とものを関連づける訓練が効果的です。新聞のコラムなどの音読もおすすめです。
⑧社会的行動能力
行動や言動、感情を対人的・社会的状況に合わせてコントロールできる能力です。
感情をコントロールしながら周りとの協調性を持って行動できる機能です。
社会的行動能力に障害が発生すると、見た目にはわからなくても行動や発言に異変が起こるようになります。
社会的行動能力が衰える原因は、脳の「前頭葉」という部分が損傷することや、高次脳機能障害による影響で二次的に起こるケースもあります。
社会的行動能力を鍛えるには、ご自身の行動障害を把握し、その症状が出た場合の対処法について、本人と周りの方がサポートしながら訓練することです。
認知症予防のための脳トレ効果に必要なポイント
認知機能の低下を押さえるために、脳トレを活用して普段から脳を活性化する習慣を付けましょう。では、脳トレを始める前に、効果的な使い方を確認しておきましょう。
できるものから始める
一度にたくさんの情報を取り入れると、脳が混乱してしまいます。脳トレは、ご自身の状態や行動障害を踏まえて、できるものからゆっくり始めるようにしましょう。
継続性を大切にする
毎日の積み重ねは、将来的な効果に繋がります。わずかな時間でも毎日継続的に脳トレの習慣を付けましょう。
時間に余裕をもつ
脳トレをする時間は、疲れているなど睡眠不足の時は控えましょう。頭の回転がさえている時間帯を選ぶことが大切です。
レベルに適したものを選ぶ
できないものができるようになる達成感も大事ですが、レベルに合わせた脳トレを選んで、
程よく脳を刺激しながらリハビリをしておくと良いでしょう。
目的を明確にする
認知機能の中のどの部分が衰えているか、本人と周りの方が認識して、目的にあった脳トレを準備してから始めましょう。
無料で始められる認知症予防にもおすすめの脳トレゲー ム
最後に、気軽に無料でできるおすすめの脳トレをご紹介します。
早口言葉
誰もが知っている早口言葉を使った言語遊びです。スピードを競うことよりも滑舌を鍛えることを優先しましょう。複数の人数で行うと笑いが起きて楽しめる脳トレです。
ことわざクイズ
有名なことわざを使った言語遊びです。ことわざの空白を埋めたり、ことわざの意味を考えたり、ことわざに関わる問題を解いていきます。昔覚えたことわざを思い出すことで記憶力を鍛えることができます。
漢字クイズ
バラバラになった漢字を組み直したり、四字熟語を並べたり、漢字の読みを答えたり、漢字をテーマに脳を鍛えます。漢字に触れることで記憶力や思考力を強化する効果があります。
そろばん計算
そろばんを使って指先を動かすので脳を刺激し、数字に関わるので計算能力が高まります。また、昔の記憶を思い出す効果もあります。そろばんを使わなくても、そろばんを使うイメージを考えるだけでも脳のリハビリになります。
しりとり
しりとりは、複数の人数でできる脳トレゲームです。言葉を思い出すことや話す練習にもなり、ゲーム感覚もあって楽しい雰囲気を作ることができます。
ぬり絵
指先を使って色を塗るので脳を活性化する効果があります。また、色を塗る順序を考えて出来上がりの達成感も得ることができます。色によって脳に与える効果もあります。
間違い探し
2枚の絵を比べて間違いを探すパターンと、複数のイラストから1つ違うイラストを選ぶ脳トレです。注意力や記憶力が高まります。
なぞなぞ
柔軟な発想を引き出す効果があります。集中力、記憶力、思考力が鍛えられるので、脳に良い刺激を与える脳トレです。複数の人数で遊ぶとコミュニケーション力も高まります。
関連記事:年齢に関係なく集中力を高める方法|子どもも大人もできる対策や習慣も紹介
脳トレは楽しみながらできる認知症予防です
高齢者になると認知機能の衰えは気になるところですね。がっくり肩を落とす前に、楽しみながら脳を鍛えられる脳トレを始めましょう。
ひとりでできるものからお友達や家族と一緒にできるものまで、いろいろな脳トレを生活の一部に摂り入れて、健康な毎日を送りましょう。
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