エビングハウスの忘却曲線とは?最適な復習タイミングも紹介

キツネさん

エビングハウスの忘却曲線、一応知識としては知っているけれど、活用法と言われるとよくわからないかも……

「エビングハウスの忘却曲線」について、学校や塾などで一度は聞いたことがあるという方は多いかもしれません。

しかし実はこの忘却曲線については、誤った解釈が定着していたり、十分に活用できていなかったりする場合が多いのです。

そこで今回の記事では「エビングハウスの忘却曲線」について、よくある間違いや、勉強・ビジネスでの生かし方も合わせて解説していきます。

正しく活用できれば記憶力アップにもつながるので、ぜひ参考にしてみてください。

「自分に自信が持てず、常に不安」
「人の顔と名前が覚えられない」
「資格試験に合格したい」
「英単語が全然覚えられない」
「本の内容をすぐ忘れる」

それ、記憶術で解決できます!

講師プロフィール

日本一の記憶博士

吉永 賢一

偏差値93

東京大学理科3類合格

IQ180を持つメンサ会員

講師歴32年、元家庭教師で15,000人以上に指導

記憶力ギネス世界新記録保持者という業界随一の肩書を持つ記憶術講師

書籍出版や雑誌掲載多数!

キツネさん

活用法をいち早く知りたい方は記事の後半からどうぞ!
なお、記憶力の上げ方については記憶力を上げる方法とは?|誰でもできる記憶向上テクニックを紹介の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。

エビングハウスの忘却曲線とは

まずは「エビングハウスの忘却曲線」の概要から見ていきましょう。

「エビングハウスの忘却曲線」とは
  • ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスが提唱
  • 時間の経過と記憶の関係を表した曲線のこと

エビングハウスは実験を通して「人の記憶は時間が経つとどうなるのか」を、以下のような形でグラフに示しました。

この忘却曲線は一般的に「人は記憶を時間と共に失っていく」ことを、実験によって可視化したものとして使用されています。

エビングハウスの忘却曲線のよくある誤解

このエビングハウスの忘却曲線を「一度は目にしたことがある」という方も多いかもしれません。

しかし実は、この忘却曲線については元々の考え方からずれた解釈がされている場合や、大事な前提が抜けたまま説明されている場合が多いです。

より深く理解して正しく活用するために、ここでエビングハウスの忘却曲線に対するよくある誤解を解消しておきましょう。

参照:一般社団法人 日本経営心理士協会

グラフの縦軸は「節約率」

先ほどのグラフを縦軸に注目してもう一度確認してみてください。

この「節約率」という言葉にピンとこない方は、エビングハウスの忘却曲線のことを誤解しているかもしれません。

忘却曲線における「節約率」とは
  • 最初と2回目以降の暗記にかかる時間を比較して、節約できた時間の比率のこと
  • 「節約率」の計算式
    (1回目の暗記にかかった時間 – 覚え直すのにかかった時間)÷ 1回目の暗記にかかった時間

エビングハウスの忘却曲線は、縦軸を「覚えている記憶の量」と捉えている方が多いです。

しかし、実際は「1回記憶したことを再度覚え直す際にどれくらい時間を節約できるか」を示しています。

例えば…

1回目の暗記に10分かかった
⇨20分後に覚え直す場合は、10分の58%の時間を節約できる
⇨20分後には4.2分で覚え直すことができる

まずはこの誤解を解くことが、エビングハウスの忘却曲線を正しく活用する第一歩です。

実験で覚えたのは「無意味な単語」

エビングハウスの忘却曲線を理解する上で、もう一つ覚えておいてほしいことがあります。

それは、エビングハウスの実験で暗記対象として使われたのは「無意味な単語」であったということです。

一方、私たちが勉強などで暗記する必要があるのは「単語」「漢字」「用語」など「意味のあるもの」であることがほとんどですよね。

そのため、エビングハウスの忘却曲線は、より覚えづらい「無意味な単語」を暗記した場合に出た数値であることを覚えておきましょう。

キツネさん

つまり、勉強で意味のあることを覚える場合は、この忘却曲線よりはもう少し節約率が高くなると考えればいいってことですね!

エビングハウスの忘却曲線からわかること

誤解を正したところで、このエビングハウスの忘却曲線からわかることを整理してみましょう。

彼が行った実験や、そのグラフからわかるのは「時間が経つにつれて記憶は失われていく」ことだけにとどまりません。

正しく解釈して、忘却曲線を勉強にフル活用できるようになりましょう。

素早い復習が大切

一度時間をかけて覚えたとしても、時間が経てば少しずつ忘れてしまうのは仕方がないことです。

そこで大切になる「覚え直し」をいかに効率よく行うかを考える際に、忘却曲線を参考にしてみましょう。

10分で覚えた内容を覚え直す場合
  • 60分後に復習
    ⇨44%の節約率(5.6分)で覚え直せる
  • 1日後に復習
    ⇨34%の節約率(6.6分)で覚え直せる
  • 6日後に復習
    ⇨27%の節約率(7.3分)で覚え直せる

忘却曲線によると、このように素早く復習すればその分「覚え直しにかかる時間」を節約できます。

逆に復習までに時間が空いてしまうと、1回目の暗記とほぼ同じくらいの時間が覚え直しにかかるようになるということです。

繰り返し復習することで長期記憶になる

キツネさん

短いスパンで復習しても、その後すぐに忘れてしまうのが怖いなあ……

もちろん、素早く復習を行ったからといって、二度とそれを忘れなくなるということはありません。

細かく復習を繰り返すことで、長期的に記憶を保っていくことができ、例えば1ヶ月後でも安定して記憶に残すことができるようになります。

さらに繰り返し復習すると考えたとき、覚え直し1回にかかる時間は短い方がいいですよね。

つまり、忘却曲線を参考に素早い復習を繰り返すことで長期記憶として定着させることができるようになります。

関連記事:効率よく暗記する方法の決定版!「ラクして覚える」が最強

関連記事:長期記憶のしくみを分かりやすく解説!超効率で忘れない脳を作る方法

エビングハウスの忘却曲線を勉強に活用しよう

では、このエビングハウスの忘却曲線を勉強に活用する具体的な方法を解説していきます。

定期テストや受験、または資格試験などの計画的な学習が必要な場面において特に役立つので、ぜひ参考にしてみてください。

  1. 勉強スケジュールに「反復する時間」を組み込む
  2. 複数回に分けて覚える
  3. 復習は適切なタイミングで行う
  4. 忘却曲線を活用したアプリも使ってみる

勉強スケジュールに「反復する時間」を組み込む

まず、勉強計画を立てる際に忘れがちなことが反復する時間をスケジュールに入れることです。

エビングハウスの忘却曲線から「記憶を定着させるためには復習や反復が欠かせない」ことがわかりました。

しかし「覚えるページ数を日割りする」という形でスケジュールを組んだ場合など、ついつい復習時間を確保し忘れることが多いです。

計画を立てるときには、復習や反復の時間も十分に確保した勉強スケジュールを立てるようにしましょう。

複数回に分けて覚える

「一度に長い時間をかけて一通り覚えきる」勉強の仕方は、あまりおすすめしません。

前回の学習から次の復習までに時間が開いてしまい、毎回復習する際に極端に時間がかかって非効率だからです。

そこでたくさんのことを覚える際には、以下の例のように短時間ずつ複数回に分けて覚えていくことをおすすめします。

  1. まずは10分で1ページ分の単語を覚える
  2. 時間を空けて前ページの復習+新しい1ページを覚える
  3. さらに時間を開けて前2ページの復習+新しい1ページを覚える

このように細かく分けて「復習+新しいことを覚える」を1セットにして繰り返すことで、復習の時間を上手に節約して効率よく進めていくことができます。

復習は適切なタイミングで行う

キツネさん

細かく分けて学習するとして、復習するタイミングはいつがいいのでしょうか?

復習の適切なタイミングを考えるときこそ、エビングハウスの忘却曲線が役に立ちます。

グラフの横軸を参考に「1時間後」「1日後」「6日後」「1ヶ月後」のように、節約率が10%前後減るタイミングで復習を盛り込んでいくと良いでしょう。

こうして適切なタイミングで何度も復習を行えば、復習にかかる時間が短縮できるだけでなく、長期記憶として記憶を定着させることも見込めます。

忘却曲線を活用したアプリもおすすめ

最近では、エビングハウスの忘却曲線に基づいて、記憶の定着を手助けしてくれるアプリも登場しています。

忘却曲線で暗記アプリ - reminDO
  • 暗記したいことを「問い」と「答え」に分けて入力する
  • 忘却曲線に従い「忘れる直前のタイミング」で通知し、復習を促してくれる
  • 画像や音声なども入力でき、視覚や聴覚からも学習できる
  • 「覚えた」「覚えていない」も管理できる

引用:App Store

常に持ち歩いているスマホで、忘却曲線に基づいた学習スケジュールが管理できると心強いですよね。

「自己管理は難しい」「移動中などの隙間時間も利用したい」という方は、こうしたアプリの利用もおすすめです。

エビングハウスの忘却曲線はビジネスでも生かせる

勉強において大いに活用できるエビングハウスの忘却曲線ですが、実はビジネスの現場でも取り入れることができます

例)新人研修や社内教育に取り入れる場合

  • 内容を短時間・複数回に分けて行う
  • 毎回復習する時間を設ける
  • 時間を空けてメールや社内報でリマインドする

ビジネスシーンでも「相手に長期的に覚えておいてほしいこと」また「自分で覚えておきたいこと」はたくさんあるはずです。

そんな場面ではぜひ、エビングハウスの忘却曲線を生かした「素早く」「繰り返し」「適切なタイミング」を意識した復習を取り入れてみましょう。

吉永式記憶術を今すぐ無料体験する!

記憶力をあげる方法を見る

まとめ

エビングハウスの忘却曲線に対して「内容を誤解していた」「ただの知識の一つになっていて活用できていなかった」という方も多いかもしれません。

しかし、正しい解釈や具体的な活用法を知れば、勉強やビジネスの場面で効果的に活用することができます。

今回の記事を参考に、エビングハウスの忘却曲線の考え方を、勉強計画を立てる際などに積極的に取り入れてみてくださいね。

ちなみに、記憶力をあげたいなら吉永式記憶術という記憶術もおすすめです。

記憶術は科学的に裏打ちされたスキルなので、誰でも習得できるメリットがあります。

Wonder Educationでは、誰でも記憶力を高められる記憶術講座を提供しています。再現性の高い指導で、記憶力向上とそれによる目的の達成をサポートしていますので、ご興味のある方はぜひ気軽にお問い合わせください。

関連記事:記憶術とは?おすすめの記憶術6選やトレーニング方法もご紹介

記憶術のスクールなら株式会社Wonder Education

吉永式記憶術の口コミ・評判

吉永式記憶術は多くの方からお喜びの声を頂いております。
その声の一部をご紹介します。

死ぬほど暗記が苦手だったのに、今ではスーッと覚えられて全く忘れないです!

ビジネスで成功して会社員から独立。人生が180度変わりました!

落ち続けた宅建試験に合格できました!

今まで苦労して勉強したTOEICのスコアがアップしました!外資系企業に転職できました!

学習障害の診断を受けて数学は絶対にできないと言われていたのに国公立医学部に合格できました。

引用:吉永式記憶術

先生のカウンセリングでトラウマに気づき語学習得も新たなチャレンジもできるようになりました!
引用:YGC吉永ジーニアスカレッジ 受講生実績

あれこれが多くなってきたのですが、
覚え方を工夫を知り、物忘れがなくなりました!
引用:YGC吉永ジーニアスカレッジ 受講生実績

監修者
的場 惇人(まとば あつひと)

株式会社Wonder Education 代表取締役

#株式会社Wonder Educationとは?

Wonder Educationは関わっていただいた全ての方に驚愕の脳力開発を体験していただき、
新しい発見、気づき『すごい!~wonderful!~』 をまずは体感していただき、『記憶術は当たり前!~No wonder~』 と思っていただける、そんな環境を提供します。

#記憶術に対する想い

学校教育だけでは、成功できない人がたくさんいる。良い学校を卒業しても、大成功している人もいれば、路頭に迷っている人もいる。反対に、学歴がなくとも、大成功をしている人もいれば、路頭に迷っている人もいる。一体何が違うのか?
「人、人、人、全ては人の質にあり。」
その人の質=脳力を引き出すために、私たちは日常生活の全ての基盤になっている"記憶"に着目をしました。

「脳力」が開花すれば、人生は無限の可能性に溢れる!

その方自身の真にあるべき"脳力"を引き出していただくために、Wonder Educationが発信する情報を少しでもお役立ていただければ幸いです。