キツネさん
日本史のテストが近いんですが、良い暗記の方法はありませんか?
ただでさえ学ぶ意義を感じない教科なのですが……。
確かに、日本史や世界史は興味がない人にとってはキツい教科ですよね。
その原因の1つは「暗記中心の科目」だからではないでしょうか。
数学や理科のように思考しながら解答を導くわけではありません。
しかし逆に「暗記さえできれば得点源になる科目」とも言えますよ。
筆者は13年にわたって中・高校生に学習指導をしてきました。今回はその経験をふまえ「この暗記方法をしたら失敗する」という5つの方法をお伝えします。
あなたがこれから述べる暗記方法をしていないかチェックして、反面教師にしていただければと思います。
もくじ
日本史の暗記でやってはダメな覚え方5選
結論、次のような暗記方法をしている人は失敗します。
- 教科書を丸写し
- 無駄な「まとめノート」を作る
- 単語カードでの暗記
- ひたすら問題演習
- 問題を解かない
どれもやりがちではありませんか?
たとえあなたがやっていなくても、周りにかならず当てはまる人がいます。
数学で「授業ではわかったのにテストになると解けない」と言う人と同じくらいあるある現象です。
それぞれ、次のような理由で失敗につながります。
ダメな暗記方法①:教科書を丸写し
教科書は勉強の原点にしてゴールです。
それくらい重要なものですが、だからと言ってそれを丸々書き写すのは効果がありません。
なぜなら、読む(インプット)よりも書く速度が圧倒的に遅いからです。
たとえばインプットするとき、どんな遅い人でも1ページ2分もあれば隅々まで読めます。
反対に1ページを2分で全て書き写すのはほとんど不可能です。
さらに重要なところを赤ペンで書くなど、ちょっと工夫したら100%間に合いません。
目で読む速度>>>書く速度
この事実があるため、書き写していても後半は「作業」になってしまうのです。
勉強において「作業」は排除すべき
「作業」は最も効率が悪い勉強法です。
小学校のときにやらされた漢字ドリルがそれに近いですね。
すでに覚えた漢字を書かされる地獄は、誰もが味わっていることでしょう。
勉強に「作業」は必要ありません。
キツネさん
確かに、テレビをみながら漢字ドリルをやってました。全然覚えられませんでしたね。
ダメな暗記方法②:無駄な「まとめノート」を作る
まとめノートは「丸写し」よりも効率的ですが、やはり時間がもったいないのでやめましょう。
特に「よし!理解するためにまとめるぞ!」と新しいノートを作るのは非効率すぎます。
時間がないのに、カレーをスパイスから作ろうとしているようなもの。
おいしいルーが市販されているのだから、わざわざゼロから作る必要はありません。
まとめノートは授業で作る
まとめノート自体は有効な場合もあります。
なので、授業中にとるノートを「まとめノート化」してしまうことをおすすめします。
- 重要語句を赤ペンで書く
→赤シートで消える化できる - 重要語句が答えになる問題を考える
→インプットとアウトプットが同時にできる
先生の解説を聞きながらまとめつつ、問題まで作れてしまうノート術なので知っておくと超効率的に授業を受けられます。
関連記事:今日からできる暗記ノートの作り方【中学生から社会人まで使えます】
ダメな暗記方法③:単語カードでの暗記
単語カードがダメな理由は、他の語句とのつながりがインプットされないからです。
地理ならば独立した語句を覚えることが多くあります。
しかし歴史はストーリーがあるのでつながりを意識する必要があります。
たとえば、墾田永年私財法をインプットするなら、次のような関連語句が必ずついてきます。
- 公地公民制
- 三世一身の法
- 口分田
- 荘園
しかし、単語カードでは関連語句を網羅することができません。
一つのカードで一つのインプットはもったいなすぎます。1発ずつ銃弾を打つよりも、散弾銃のほうが威力が高いですよね。
記憶の定着しやすさから言っても、関連語句と結びつけて覚えられないのは非効率的です。
単語カードは一夜漬けのアウトプットに使うべし
単語カードを使うなら、直前のアウトプットがおすすめです。
しっかり暗記できているかを短時間で確認できます。
10分あれば100枚めくることも可能です。
キツネさん
なるほど、単語カードは「確認するためのアイテム」なんですね。
ダメな暗記方法④:ひたすら問題演習
とにかく問題量をこなして暗記していこうとする人がいますが、これも失敗しやすい暗記方法です。
- 全く同じ問題にしか答えられなくなる
- 問題パターンを全て覚えきることはできない
- 大学入試の2次試験には通用しない
一問一答ならば乗り切れるかもしれませんが、少しひねった問題や記述では対応できなくなります。
キツネさん
何を問われていて何を答えるべきかを理解する。それが「本当の暗記」ですね。
ダメな暗記方法⑤:問題を解かない
反対にインプットばかりで問題演習をしないと、記憶の定着が確認できないので失敗します。
- 授業ではできたのに、テストでは解けない
- 漢字まで思い出せない
- 記述が書けない
こういった悩みを持っている人は、問題を解く量が不足しているかもしれません。
理解→暗記→アウトプットを繰り返す
日本史は世界史と違い、漢字で書かなくてはいけない科目です。
漢字ミスで細かく部分点をけずられたり、最悪0点になってしまうのは大変もったいないです。
しっかり得点するためには、語句を理解して暗記し、問題演習で解けるかどうかを確認しましょう。
キツネさん
友人と問題を出し合うのも非常に有効な方法ですね。
そもそも日本史は暗記して役立つの?
- 「日本史を勉強して何の意味があるの?」
- 「漢字ばかりで面倒くさい」
- 「暗記が嫌い」
これらは学生からよく聞こえて来る意見です。
しかし、日本史はその名の通り日本の歴史です。
つまり、私たちの身近なところにつながっている事も多く存在します。
日本史を学ぶことで、次のような良いことがあります。
国内旅行をもっと楽しめるようになる
日本史は、私たちの街づくりの歴史を学ぶことにもつながります。
旅行で訪れる様々な場所も、日本史の知識があることで一段と興味深く観ることができます。
宿場はなぜ道が折れているのか
日本史で五街道について学びますが、街道にある宿場町は必ず「カギ状(折れ道)」になっています。
例えば中山道にある岐阜県の「馬籠宿」は、今でも道が折れています。
筆者が旅行で訪れたとき、日本史で学んだ知識を思い出しました。
防犯上の目的により、街道を見わたせないようにしてある
知識がなかったら、ただ道を歩いて終わっていたはずです。
日本史の知識が旅行中の体験と結びついた瞬間でした。
「これが授業で聞いた宿場町の折れ道か!」と記憶に残りました。
言葉の理解が深くなる
歴史を学ぶことで、言葉をより深く理解することができます。
たとえば「服部(はっとり)」という名字をもつ人のルーツは、大和朝廷時代の職業名にあります。
当時は連合政権であり、各豪族が職業を分担していました。
その中の一つに、絹織物を担当する「機織り(はたおり)」という職がありました。
この「はたおり」が訛って「はっとり」という名字になったのです。
ちなみに「部」は「〜たち」という意味があります。部活動の「部」と同じ意味ですね。
キツネさん
歴史の中で学ぶ豆知識って、意外と記憶に残ったりしますよね。
参考文献:武光誠『語源に隠された日本史』2014 河出書房新社
日本史の暗記を楽しむコツ
日本史は暗記が必要な教科ですが、内容そのものを楽しんで暗記することができる数少ない教科です。
たとえば次のような方法があります。
- 学習マンガで暗記する
- 現地を訪れてみる
学習マンガで暗記する
まんがはストーリーが頭に入るだけではなく、視覚的な絵(イメージ)を使って覚えることができます。
英単語や古文の単語も、イラストがついていると暗記しやすいですよね。
その効果が自然と取り入れられているのが学習マンガです。
- 角川まんが学習シリーズ
- 中公文庫「日本歴史」シリーズ
日本史のマンガはこの2つが有名です。
角川まんが学習シリーズは絵柄もリニューアルされ、現代のアニメっぽい画風になっています。
子ども向けだからこそ、必要なところだけに絞ってまとめられているのもメリットですね。
休憩中に読んで、効率的に学ぶことができますので、おすすめです。
現地を訪れてみる
世界史ともっとも違う点が「歴史の舞台を直接見に行ける」ということです。
エジプトのピラミッドへすぐに見学に行くことは、普通はできません。
しかし、あなたの住んでいる都道府県の史跡ならすぐに行けます。。
その場所に実際行ってみることで、五感を使って記憶することができます。
また実際に訪れてみると、教科書のイメージとは全然違ったという場合もあります。
正倉院はとても大きい
毎年、京都国立博物館で「正倉院展」が開催されています。ご存じでしたか?
(センター試験で出題されたこともあります。)
筆者は正倉院を「物置が一回り大きいくらいのサイズ」だと思っていました。
しかし、実際は大きめの体育館くらいの大きさがありました。
実物と収蔵品を自分の目で見たので、日本史の内容を覚えずとも頭にいれることができました。
キツネさん
まさに百聞は一見にしかず、ですね。
アプリを使って覚える
スキマ時間を使って暗記するなら、スマホアプリが最適です。
通学中の10分を使って知識をアウトプットすることができます。
- 日本史一問一答
- 山川一問一答日本史
この2つのアプリがおすすめなです。
日本史一問一答
参照:「日本史一問一答」
- 無料で利用できる
- 満点の回数がわかるので、得意分野が見える
- 約3,000問と問題数が多い
無料で日本史を暗記したいなら、このアプリがもっとも充実しています。
山川一問一答日本史
参照:山川一問一答日本史 – Google Play のアプリ
無料アプリでは物足りなくなったあなたには、「山川一問一答日本史」がおすすめです。
- 共通テスト〜国立大2次レベルにも対応
- 問題数約4,500問のボリューム
- 有名講師のポイント解説つき
こちらは600円(iOSは610円)と有料ですが、問題集を1冊買うよりもお得です。何度でも解けます。
暗記そのものを学んでみる
日本史の暗記を通して、
- 暗記そのものを得意にしたい
- 暗記することが楽しい
と感じてきたあなたは、記憶術を学ぶ素質があります。
若いうちに記憶することを得意にしておけば、有能な人材として活躍できるはずです。
リスクはないので、とりあえずアクションを起こしてみてはいかがでしょうか。
関連記事:宮地式記憶術のリアルな評判・口コミと、いま学ぶべき理由を紹介
暗記が得意な人になろう
日本史の内容をどれだけ覚えても、社会に出て使うことは多くはないでしょう。
しかし、暗記することを通して「自分はどうやれば物事を覚えられるか」を自覚することはとても大切です。
- 扱う商品のスペックやデータを暗記する
- 働く業界の知識を頭にインプットしておく
スマホで何でも調べられる今だからこそ、データを頭にいれている人が目立つ時代です。
日本史の暗記を通して、「暗記が好きな自分」「暗記が得意な自分」を見つけてくださいね。
最後にもう一度、やってはいけない日本史の暗記方法をまとめておきます。
・教科書を丸写しする
・無駄な「まとめノート」を作る
・単語カードでの暗記
・ひたすら問題演習
・問題を解かない
この暗記方法を避けて、効率の良い暗記をしていきましょう。
ちなみに、記憶力をあげたいなら吉永式記憶術という記憶術もおすすめです。
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