キツネさん
40代にさしかかり、記憶力の低下を感じると「年齢のせい」と思ってしまう方は多いでしょう。
しかし、記憶力の低下は実際のところ「加齢」以外に原因があることがほとんどです。
今回の記事では、40代の方の記憶力が低下しやすくなる原因や、その対処法について解説します。
記憶力は習慣を見直したり、トレーニングを取り入れたりすることで改善が見込めるので、この機会にぜひ参考にしてみてください。
もくじ
40代で「急に記憶力が悪くなった」と感じる人は多い
実際に「40代で急に記憶力が悪くなった」という声は多く挙がっています。
最近さぁ、自分の認知力や記憶力の低下に自分で驚く。
野生動物だったらそろそろ捕食者にやられてるくらいの顕著な老化現象。
40代からはもう余生だよね。
引退したい。。。— ママキャン!(楽しむタイム) (@tanoshimu_time) April 20, 2022
https://twitter.com/marilyn77/status/1518789948610023424?s=20&t=FYIsoBJDJIlj9e7QnG1-aw
どうしても原因を年齢と結びつけてしまいがちですが、記憶力低下の原因はもっと他のところにあるのかもしれません。
私たちの記憶力や脳は年齢だけではなく、些細なことが引き金となって機能が低下してしまいます。
「40代で記憶力が下がった」と感じている人は、まず年齢以外の原因を見つけていきましょう。
年齢のせいじゃない!40代で記憶力が低下する理由
では、年齢以外に40代で記憶力が低下する原因はどんなところにあるのでしょうか。
ここからは具体的に、私たちの記憶力を悪化させる原因について解説していきます。
一つでも当てはまることがあれば、なるべく早めに改善を目指しましょう。
生活習慣が乱れている
40代は一般的に「働き盛り」「子育て世帯」が多く、多忙な毎日を送っている人も多いです。
忙しい日々を生きている分、生活習慣が乱れている人も少なくありません。
- 睡眠不足
- 運動不足
- 栄養の偏った食生活
- 食事時間、寝る時間など生活リズムが不規則
こうした毎日を続けていると、自覚はなくとも脳はダイレクトに悪い影響を受けます。
乱れた生活習慣による悪影響の蓄積が脳を弱らせ、記憶力の低下にもつながってしまうのです。
常に脳が疲れている
私たちの脳は非常にデリケートで、普通に過ごしているつもりでも毎日多くの疲労を抱えています。
- ストレス
- 睡眠不足
- スマホやテレビを通じた過度な情報摂取
常に脳疲労の原因となるものに囲まれた生活を送っていると、脳は本来のパフォーマンスを発揮できません。
このように脳疲労を日常的に抱えていることも、記憶力が低下する原因の一つです。
飲酒の習慣がある
仕事の付き合いなどもあって、飲酒の習慣がなかなかやめられない人も多いかもしれません。
お酒に含まれるアルコールは、過剰に摂取すると脳萎縮を進行させてしまいます。
日常的にお酒を飲む人は、記憶力低下の一因が飲酒の習慣にある可能性は否定できないでしょう。
お酒と記憶力の関係については、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。
関連記事:お酒と記憶力の関係を解説|脳に与える危険性や勉強にも活かせる上手な付き合い方まで
新しいことに取り組む習慣がない
40代になると、仕事やプライベートで新しい経験をする機会が減る人も多いでしょう。
実は「新しい経験をすること」は脳に刺激を与え、そのはたらきを活性化してくれます。
逆に新しいことに取り組む習慣がないと、脳が活性化する機会が失われ、老化が進行する原因になるのです。
キツネさん
「年だから」とあきらめている
特に脳を衰えさせる大きな要因となるのが、「年だから仕方ない」とあきらめて何もしないことです。
年齢のせいだと思い込むと、何も対策をとらないまま毎日を過ごしてしまいかねません。
しかし実際は、毎日の習慣を少し見直したり、意識を変えたりするだけでも改善につながります。
「もう年だから仕方ない」とあきらめるのは今日からやめて、前向きに記憶力の向上を目指していきましょう!
関連記事:記憶術とは?おすすめの記憶術6選やトレーニング方法もご紹介
40代からでも大丈夫!記憶力をアップする習慣
本来の記憶力を発揮したり、記憶力をアップさせたりするためには、毎日の生活習慣を見直すことが大切です。
ここからは40代の方向けの記憶力をアップする習慣を4つ紹介します。
- 良質な睡眠をとる
- 運動する
- 脳機能改善を期待できる成分を摂る
- 生活習慣を改善する
- 読書する
- 新しいものを学ぶ意欲をもつ
良質な睡眠をとる
睡眠が私たちの記憶力に与える影響は大きいです。
- 日中に覚えたことや経験したことを脳に定着させる
- 嫌な記憶を消去する
- 過去の記憶とその日の記憶を関連づけて整理する
睡眠不足になってしまうと、記憶に対する処理が不十分になり、記憶力の低下につながってしまいます。
まずは毎日睡眠時間を確保し、良質な睡眠をとることから始めてみましょう。
運動する
ウォーキングやヨガのような「超低強度運動」を10分間行うと記憶力が向上することがわかっています。
記憶に関わる脳の海馬の働きが活発になって記憶力がアップして認知症予防にも効果的です。
毎日10分程度であれば、気軽にできて継続しやすい運動方法です。
また、認知機能は、簡単にチェックする方法があります。
1分間、片足立ちをして20秒未満の方は認知症予備軍となります。
片足立ちをする際に同時に歌を歌ったり、暗算をしたり、しりとりをしたり、コグニサイズで運動をすると認知機能を高める効果があります。
コグニサイズとは、国立長寿医療研究センターが開発した、運動と認知トレーニングを同時に行うことで認知症予防になるという取り組みです。
脳機能改善を期待できる成分を摂る
DHA(ドコサヘキサエン酸)や EPA(エイコサペンタエン酸)を含む食品を積極的に摂ると、脳機能の改善に効果的です。
脳の神経伝達機能の低下を防ぎ、脳を活性化して記憶力をはじめ、集中力や判断力、処理能力を高める働きがあります。
- DHA::脳細胞を柔らかくし情報の伝達性を促す。成長期の脳の発育に役立つ
- EAP:血栓を防ぐ。抗炎症作用、免疫調節作用、脂質代謝改善作用/li>
DHA や EPA を多く含む食品
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- 魚類:まぐろ、さんま、さば、いわし、あじ、かつお、ぶり
- 油類:エゴマ、アマ二、なたね、大豆、マーガリン、バター
- 野菜類:キャベツ、チンゲン菜、にら、バジル、ブロッコリー、ほうれん草
- 肉類:豚肉、鶏肉、牛肉、卵、牛乳、ナチュラルチーズクリーム
生活習慣を改善する
睡眠不足以外の生活習慣についても、一つずつ見直していきましょう。
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- 飲酒を控える
- 生活リズムを整える
- 夜ふかしをしない
- バランスのとれた食事を摂る
- ストレスを溜めない
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脳や体に負担のかかる習慣をやめていけば、脳も徐々に健康を取り戻していきます。
改善の余地がある人は、生活習慣を整えることも記憶力のアップにおすすめです。
関連記事:記憶力がアップする食べ物を紹介!勉強のお供やテスト本番にもおすすめ
読書する
本を読むとき、私たちは無意識に脳のいろんな能力を活用しています。
日常的に読書することで脳が活性化されるため、記憶力アップも期待できるのです。
「活字が苦手」「普段本を読む習慣がない」という人は、以下のような本選びをすれば挑戦しやすくなるかもしれません。
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- 家族や友人のおすすめの本を教えてもらう
- 厚さがあまりない作品を選ぶ
- 短編集を読んでみる
- 自分が興味を持てる分野の本を探す
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スキマ時間や寝る前の15分などに、本を読む時間を確保してみましょう。
関連記事:読書で記憶力アップする具体的な5つの方法 | 習慣にするコツも
新しいものを学ぶ意欲をもつ
日々の心構えとして、知らないことに対して積極的に学ぶ意識を持つようにしてみましょう。
脳は、自分が知らない新しいことを学んだり、経験したりすると非常に活性化します。
新しい知識や経験を得ながら、脳を活性化して記憶力がアップできれば一石二鳥です。
まずは「面白そうなことはないかな」とアンテナを張るところから始めてみましょう。
40代から本格的に記憶力を鍛えるトレーニング
「もっと本格的に記憶力を鍛えたい」という人は、日常生活の中にトレーニングを取り入れるのがおすすめです。
次は、40代の人向けの記憶力アップにつながるトレーニングについて紹介していきます。
- 連想ゲームをする
- 集中力を高める努力をする
- 積極的にアウトプットする
- 脳トレアプリで鍛える
「これならできそう」というものから、自分のペースに合わせて始めてみましょう。
関連記事:子供も大人もできる!集中力を高めるトレーニングを紹介
連想ゲームをする
一つの言葉に結びつけて、他のものを考えていく連想ゲームは、脳を活性化し記憶力を高める効果が期待できます。
最初の言葉を決めて、そこから連想できるものをどんどん考えてみましょう。
また「覚えたい」と思うことがある場合も、連想ゲームを活用すると記憶に残りやすくなります。
「青木さん」という人の顔と名前を覚えたい場合
→「青い木」を育てる青木さんをイメージしてみる
このように、記憶力アップに効果的な連想ゲームをトレーニングとして日常に取り入れてみましょう。
集中力を高める努力をする
記憶力をアップさせるためには、集中力を高める努力も大切です。
集中力がなければ「覚えよう」としても、なかなか頭に入ってきません。
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- カフェや自室、オフィスなどで集中できる環境をつくる
- スマホを視界に入らない場所に置く
- 瞑想する
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覚えたいことをスムーズに頭に入れられるよう、集中できる環境や状態を自分でつくる練習にも取り組んでみましょう。
関連記事:年齢に関係なく集中力を高める方法|子どもも大人もできる対策や習慣も紹介
積極的にアウトプットする
記憶力アップには、積極的にアウトプットするのも効果的です。
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- メモをとる
- ノートにまとめる
- 人に話す
- 日記やSNSに書く
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アウトプットによって頭の中の情報が整理されたり、記憶に定着しやすくなったりする効果が期待できます。
新しく学んだことや覚えたいことがあれば、自分に合った方法でアウトプットしてみましょう。
脳トレアプリで鍛える
最近、数多く登場しているスマホでできる脳トレアプリもおすすめです。
たとえば「脳トレ-記憶ゲーム」は、記憶力アップに効果的なトレーニングが8種類入っています。
ゲームの結果に合わせて点数が出るので、自身の記憶力の変化がわかりやすいです。
その他、記憶力アップに効果的な脳トレアプリは、以下の記事で詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。
関連記事:記憶力をアップさせるアプリを紹介!無料で楽しく脳トレしよう
ゲーム感覚で身に付けられる記憶法の紹介
では、続いて、ゲーム感覚で身に付く記憶法について2つ紹介します。楽しみながらできるので持続性のある方法としておすすめです。
連想結合法
ひとつの情報を次の情報に関連付けて覚えていく方法です。
ストーリー性を持たせて言葉をリンクさせていくことで、脳に記憶が定着しやすくなります。
例)以下の7つの言葉を連想結合法で覚える方法です。映像が浮かぶような短文を作って記憶しやすくします。
「赤、椅子、電車、花火、コンビニ、夜、スマホ」
- 赤い椅子がある
- 椅子に座って電車に乗る
- 電車の窓から花火を眺める
- 花火をコンビニで買う
- コンビニは夜に買い物できる
- 夜はスマホでゲームを遊ぶ
場所法
情報と場所を関連づけて覚える方法です。
記憶に残りやすい場所を決めると、場所を手掛かりに記憶した情報を思い出すことができます。
場所とリンクした情報は記憶に残りやすいメリットがあります。
まずはじめに、記憶する場所を決めます。次に物が場所に置いてあるイメージをします。
具体的にイメージすることで、物と場所を同時に記憶することができるようになります。
・場所法の例題
- 【リンゴ】を【子ども部屋】に置く
- 【眼鏡】を【体育館】に置く
- 【リモコン】を【駅】に置く
40代から気をつけるべき「若年性認知症」
「物忘れがあまりにひどくて気になる」という方は、認知症などの脳の病気を疑う必要があるかもしれません。
40代でも「若年性認知症」などの疾患を抱えてしまう可能性は大いにあります。
ここではそんな40代から気をつけたい物忘れと認知症について解説します。
老化による記憶力低下と認知症は別物
まず、老化によって進行する記憶力の低下と認知症は全くの別物です。
40代だと「まだ認知症になる年齢じゃない」と思いがちですが、認知症は年齢にかかわらず発症するリスクがあります。
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- 老化:脳の神経細胞が少しずつ減る
例)昨日の夜、何を食べたかがすぐに思い出せない - 認知症:脳の神経細胞が大量に消失する
例)昨日の夜、ご飯を食べたことすら思い出せない
- 老化:脳の神経細胞が少しずつ減る
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認知症の場合、放置している間にどんどん症状が進行してしまいます。
自分や周りの人の「物忘れがあまりにひどい」という場合は、早めに専門機関を受診しましょう。
参照:鳥取大学医学部附属病院 広報誌 認知症予防は 40 代から 脳を鍛える とりだい流「8つの知的活動」
【セルフチェック】こんな物忘れに要注意
認知症の疑いがあるかどうかは、簡単なセルフチェックでも判断が可能です。
特に、以下のような物忘れがないかどうかチェックしてみましょう。
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- 同じことを何回も言ったり聞いたりする
- しまい忘れ・置き忘れが多く、よく探し物をする
- よく知っている人の名前を忘れる
- ものの名前を忘れる
- 今日の日付・時間がわからなくなる
- 慣れているところで道に迷う
- 約束の日時・場所を忘れたり間違えたりする
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一般的な物忘れと違って、認知症の物忘れには特徴があります。
自分で気がつくのが難しい場合もあるので、周囲の人が気づいてあげることも大切です。
認知症以外で記憶に支障をきたす病
認知症の他に記憶に関わる障害について、高次脳機能障害と発達障害について解説します。
高次脳機能障害
脳疾患や事故などで脳の一部を損傷したために、思考・記憶・行為・言語・注意などの脳機能に障害が起きた状態になります。
外見からはわかりにくいため、周りから理解されにくい障害です。
症状は、個人差があり場面や環境によって症状の現れ方が異なるため、周りを困らせてしまうこともあり、本人と社会との関係性を保つのが難しい障害です。
※主な症状
- 注意障害:集中力の欠如。複数のことを一度に覚えられない
- 遂行機能障害:ダンドリができない。臨機応変ができない
- 社会的行動障害:イライラする。がまんできない。こだわりが強い。意欲がない
- 失語:言葉が出ない。言葉の意味を理解できない
- 失認:人の顔を認識できない
- 失行:目的にそった動作ができない
- 半側空間無視:片側のものを認識できない
- 脳疲労:脳が疲れやすい
- 病識の低下:自分の障害を自覚できない
- 記憶障害:新しいことを覚えられない。思い出せない
発達障害
先天的に脳の発達に偏りがある障害です。他人からみると自分勝手で困った人と勘違いされやすく、性格の問題や親のしつけなどが原因だと言われることが多いです。
発達障害には、症状別に種類があり、単体で症状が現れる場合と、重複して症状が現れる場合があります。重複して症状が現れる場合は、さらに症状が複雑になり日常生活に支障を引き起こします。
・発達障害の代表例
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- 自閉症、アスペルガー症候群を含む広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)ASD
- 学習障害(限局性学習障害)SLD
- 注意欠陥多動性障害(注意欠如・多動性障害)ADHD
気になったら早めに病院へ
若年性認知症は「まさか自分が」と考える人が多く、早期発見が難しい病気と言われています。
放置すれば病状が悪化し、働けなくなってしまったり、家族を支えられなくなったりすることも少なくありません。
早期発見・早期治療ができれば、進行を遅らせることや、原因によっては改善も期待できます。
自分自身はもちろん、家族などにも認知症の症状が見られないかどうか、常に気を配ることが大切です。
そして、気になったら早めに病院や専門機関を受診する意識を持っておきましょう。
40代でも記憶力は上げられる!年齢のせいにしない脳活を
40代で記憶力に衰えを感じ始める人は少なくありません。
つい「年齢のせい」にしてしまいがちですが、実際は加齢以外に記憶力低下の原因がある場合がほとんどです。
まずは自身の生活習慣を改善し、脳を健康に保つ意識を持つところから始めてみましょう。
年齢のせいにせず「いくつになっても記憶力は上げられる」という気持ちがあれば、若々しい脳を保つことができますよ。
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